今年2月にテアトル新宿で公開され大好評を博した井口昇監督の『恋する幼虫』が9月1日にキングレコードよりDVDが発売される。また、『クルシメさん』をはじめとする井口監督の短編や中編を集めたDVD「愛の井口昇劇場」も8月27日にアップリンクより発売。この連続リリースを記念して、8月21日テアトル新宿にて井口作品を一挙公開するオールナイトイベント、題して「昇祭」が開催された。

 劇場ロビーでは、井口さんゆかりの面々がハッピや浴衣姿でお出迎え。輪投げやダーツなどゲームも用意されさながら場内は縁日にでも来たかのよう。「やっぱ自分自身が祭になってなくちゃね!」と井口さん自身もふんどし一丁という世にも男らしいお姿で登場し、劇場内を妙に興奮させた。

 上映が始まってからも合い間、合い間にトークイベントが催され、BS−iで放送中の「新耳袋」で監督した5分の短編の上映前には、原作者の木原浩勝さんを迎えてテアトル新宿で本当に起こった怖い話を披露した。
 また、映画雑誌「映画秘宝」編集長の田野辺さん、柳下毅一郎さん、藤木TDCさんの3人を交えてのトークでは柳下さんが井口さんを「天才とはこういうこと!」と賞賛。井口映画の本髄と、スカトロAV監督でもある井口さんの作品もまじえてその魅力を絶賛する3人。井口さんが監督すると一般映画でもAV作品でもほとんど同質の魅力を持っていると語られた。AVの方は未見の私は「『美少女ウンチロリータ便器』と『恋する幼虫』が同じだなんてうそでしょ?」と思う一方で、「井口さんだったらスカトロAVですら感動させてくれるのかも・・・」、と思ってしまった。そう思わせてしまうところに、すでに天才・昇のすごさなのかもしれない。

 明け方頃には、デモ田中さん、原達也さんら“井口組”の役者さんたち、そして毎回井口作品の特殊メイクを担当する西村嘉廣さんも登場しお客さんにお楽しみプレゼント大会を行った。
上映作品最後は西村さんが監督し今年のゆうばりファンタで上映した『スピーカーマン』。これまで『恋する幼虫』の飛び出す目玉やラストの荒川さんのあの造型、ゾンビたちのメイクなどすべて彼の仕事。また、園子温監督の『自殺サークル』の皮ベルトも彼の手によるもの。その西村さんの造型魂がこもった、炭坑に住む妖精“スピーカーマン”。その可愛らしさとグロさは一見の価値アリ。井口さんもランニング姿&ブリーフ姿のセールスマンとして出演しているが、主演はなんとデモ田中さん。実は今回の上映作品のほとんどに出演している田中さん「本当はこのイベント、昇祭じゃなくて裏・田中祭でもあったんですよね(笑)」とコメント。
最後もロビーでお客さんをお見送りする井口組の面々。6時間強の長丁場はまさに昇づくし!たっぷりと井口昇の天才ぶり、そしてその反面キュートさ、怖さ、繊細さ、人柄の良さを堪能できるイベントとなった。(この様子は後日、動画もアップする予定)

 また、「昇祭・後夜祭」と題し9月7日(火)にはロフト・プラスワンで夏目ナナさんを総合司会に、井口監督、山口雄大監督、ほか豪華ゲストを迎えてトラウマ映像大会を行う。こちらも盛り上がることは必至!

※DVD「愛の井口昇劇場」はアップリンクより8月27日発売!
 DVD「恋する幼虫」はキングレコードより9月1日発売!