手紙に込められたたくさんの思いがつまった作品『千の風になって』公開初日!
天国へ旅立った最愛の肉親や親しかった友人に、遺された者たちが書いた手紙を、ベテラン・パーソナリティ大倉修吾が、朗涜するという、新潟放送の長寿ラジオ番組「ミュージックポスト」の人気コーナー企画“天国への手紙”。これをモチーフにはじまったプロジェクト、それがこの映画『千の風になって』だ。公開初日の7月31日、新宿ジョイシネマ3では上映終了後、監督出演者による舞台挨拶がおこなわれた。
この映画では実際に投稿された多くの手紙の中から3編を選んで映画化されている。その3つのストーリーをつなぐ役割として登場するのが新聞記者紀子役を演じた西山繭子だ。
西山「撮影は一年前で、色んな方と出会ってたくさんの熱い思いに出会いました。この映画を通して私自身も人間として俳優として色々学ぶことが多く、成長できたと思います。」
また、その彼女の夫で舞台役者役には伊藤高志。実際に舞台を中心に活動している伊藤ならではの配役だ。
「等身大の役で自分と同じような悩みにぶつかったりしている人物の役でした。」
原案でも参加している桂木梨江は、彼女自身の登校拒否や家庭内暴力が原因で他界してしまった母親とのことをもとに女優としても参加している。
「この作品には企画の段階から関わっていて、私の亡くなった母の役を私自身が実体験をもとに演じています。一度『天国への手紙』というタイトルで製作されていますが、新井満さんが曲をつけてくれて今回新しく甦った映画です。映画のテーマも“死と再生”です。」
小児ガンで息子を失ってしまう母親を演じた南果歩は、
「長崎の女児殺傷事件の被害者のお父様がおっしゃっていた「身近にいる大切な人のことを忘れないで」という言葉が最近すごく印象的でしたが、この映画はまさにそれです。実際に私にも子どもがいるので気持ちはわかります。身近にいながら見過ごしがちな大切な人への思いを、ふっと立ち止まって思い出してくれたらと思います。」
また、南の長男役を演じた新田亮も登場。「がんばって精一杯やりました。」と緊張気味にコメント。しかし司会から、これからも映画には出るんでしょう?という質問が向けられるとはっきりと力強く「はい」と答えた。
監督の金秀吉(キム・スギル)は
「250通の中から3通を選んで映画にしました。しかし選ばれなかったものの中にもそれぞれすごく感動しました。すべての人の思いをできるだけ映画の中につめこんだつもりです。」と語った。「続編やその続編も作っていきたいと思っているので、是非みなさんこの映画をまわりの方々に紹介してください。」と次回作への思いもうかがわせた。
★新宿ジョイシネマ3他にてロードショー
□作品紹介
『千の風になって 天国への手紙』