渋谷イメージフォーラムにて開催中の『ヤン・シュバンクマイエル映画祭2004』。その2回目となるトークイベントに『頭山』の山村浩二監督が登場。シュバンクマイエル作品について思い思いに語ってくれた。

シュバンクマイエル作品といえば特徴的なのが「食べ物」の表現。どう観てもおいしそうに見えないその描写に、山村監督も「どうしてあんな独特の表現をするのか不思議だった」とのこと。「本人に会う機会があった時に「食べ物が嫌いなのか」と聞いてみたんです。そしたらやはりシュバンクマイエル監督は小さい頃好き嫌いがとても激しく、それを治すキャンプに参加したことがとてもトラウマになっているそうです」。

山村監督はアニメーション作家としてあらゆる場所で講演を行っており、その時の面白いエピソードも飛び出した。「男子高校に短編アニメの可能性について話をしに行ったとき、色々な作家の短編アニメを選りすぐって見せたんです。その中で1番受けたのが『対話の可能性』で、みんな何故か爆笑していた。それがとても意外だったんですが、シュバンクマイエルの肉体的に訴えてくるパワーが思春期の男の子の琴線にふれたようでした」。

「僕が10年前に『アリス』を観たときはガラガラだったのに」と監督が驚くくらい、会場は立ち見が出るほどの盛況ぶり。日本を代表するアニメーション作家山村監督のトークによって、チェコのシュバンクマイエル監督の新たな一面を知ることができる貴重なひと時となった。
(山本絵美)

毎週土曜日はトークショ−
7月31日(土)18:00〜 ゲスト:しまおまほ(漫画家)+木内昇(spotting編集長)
8月07日(土)19:00〜 ゲスト:赤塚若樹(評論家)+ペトル・ホリー(翻訳家)
※入場無料。ただしその回の上映をご覧いただく方のみ参加出来ます。
※整理券は当日10:30より受付にて配布。

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