1988年から日本で初めて高校中退者を全国から受け入れることとなった、北海道北星学園余市高校。その卒業生であり現役教師である、義家弘介(ひろゆき)氏が記した「不良少年の夢」が映画化される運びとなり、15日東京會舘にて製作発表会見が行われた。

登壇したのは、花堂純次監督、三村順一プロデューサー、原作者の義家弘介氏、松山ケンイチさん(義家弘介役)、真野響子さん(安達俊子役)、伴 杏里さん(西崎美紗緒役)の6名。
「生徒たちの純粋な部分を映し出せたらと思う。素敵なキャストと力のあるスタッフと完成まで走り続けたい」(花堂監督)、「夢の向こう側にあるもの、それが何であるのか明確に描いていきたい」(三村プロデューサー)と、製作側の意欲にあふれたコメント。
義家氏の恩師の役を演じる真野さんは「現実に生きている方の役は初めてです。人生は何回でも出発できる、ゼロに戻れるということを分かってほしい」と述べた。リーゼントで気合いが入っている様子がうかがえる松山さんは「人間はこれほど変われるものなんだと思った。義家先生が伝えたいことを一つ残らず伝えたい」と。そして「この一瞬一秒を生きている意味さえ分からない女の子が前向きに生まれ変わるところを、うまく演じていきたい」と伴さん。

義家氏は「おれは罪人です。16歳で何もかも失った時、あと16年生きて、それでも絶望していたら自分で人生の幕を閉じようと思っていました。「不良少年の夢」は、最後まで生き抜く決意を表明した本です。自分の過去の悪事を書いているので、映画化と聞いて初めは心揺れました」と告白。「しかし、開示することが恩返しになったらいいと思っています。教育は未来を作る営みです。未来を作る子供たちが苦しんでいるということは、未来が苦しいということ。そのリアルと熱を、映画で放出して欲しいです」と、映画化と教育に対する想いを熱く真剣な眼差しで語ってくれた。

7月23日に、北海道余市にてクランク・イン。完成は11月末頃の予定です。
(村松美和)

□作品紹介 『不良少年の夢』