フル3DCG作品『機動戦士ガンダム MSイグルー』製作発表記者会見開催!
昨年7月の開館以来10ヶ月余の5月31日で、来場者数が早くも70万人を突破し、“ガンダム・ファンの聖地”“キャラクターの殿堂”としてすっかり定着した千葉県松戸市のバンダイミュージアムでは、開館1周年に向けての様々な記念イベント企画が現在進行中だ。その中でも要注目なのが、当館地下の「シアターB-one」が「バンダイミュージアム・シアター」として改装され、ここで上映される最新映像作品。これがなんと、フル3DCGによる『ガンダム』なのである。
タイトルを『機動戦士ガンダム MSイグルー〜1年戦争秘録〜』というこの期待の新作の製作発表会が、6月2日に、監督の今西隆志(『機動戦士ガンダム0083』など)、スーパーバイザーの出渕裕(『ラーゼフォン』など)、デザインワークスの荒牧伸志(『アップルシード』など)、そして主人公のお目付け役モニク・キャディラックを演じる長澤美樹らが出席し、バンダイ・ミュージアムで開催された。
『機動戦士ガンダム MSイグルー〜1年戦争秘録〜』は、オリジナル版『機動戦士ガンダム』の作品世界である“1年戦争”を背景に、ガンダムとしては初めてジオン公国側の技術試験部隊側の視点から、激戦の荒波に消え去った“幻の兵器群”とその試験に携わったジオン軍兵士たちの姿を描く戦場大活劇で、1話完結・約25分の3エピソードからなり、開館1周年記念日である7月19日より第1話『大蛇はルウムに消えた』と第2話『遠吠えは落日に染まった』を、そして9月より第3話『軌道上に幻影は疾る(仮)』の上映を目指し、制作の方も現在大詰めに入っている。
今回の作品を、メカのみならずキャラクターも含めて全てをフル3DCGで描いた経緯について今西監督は、「やがては全てをGCで描く時代が来ると思っていたので、本作でやって見ることにした。また、本作がこの場所(バンダイミュージアム)で上映されるということも大きい。本館7階のガンダムミュージアムではセル画を使わずに、CGや実物、モデルなどで見せている。だから、地下のシアターでセルをやっては釣り合いが取れないと思った」と、ミュージアムのカラーに則っての作品作りを心掛けたと説明し、「ファンの方には、7階がサイド7、ここがサイド3といった感じで、両方を行き来して欲しい」とコメント。
スーパーヴァイザーを務めた出渕は、「これまでもCGにより描いたガンダム作品はあったが、イメージ映像やゲームなどストーリー性に欠けているものがほとんど。そこで、ストーリー性のある3DCG作品を、ガンダムという素材でつくったのがこの作品です」と語る。主人公をガンダム・パイロットでは無く、技術士官に置くという展開や武骨なまでにリアルな兵器群など「ロートルが作ったロートルの為の物語です(笑)」と、軽妙に応えるその言葉は、逆に作品自体が持っているであろう見応えの証であろう。
デザイン・ワークスとしてガンダム・ワールド初参加の荒牧は、「ファーストガンダムのファンにも十分楽しんでもらえる作品になると思う。個人的には、どちらかと言えばカッコ良くない、渋いメカデザインに注目して欲しい」とコメント。物語の舞台となる宇宙艦ヨーツンヘイムは、今西監督から青函連絡船のイメージでという要望があったとか。
本編の主人公オリヴァー・マイの「お目付け役」である女性士官、モニク・キャディラック特務大尉を演じる長澤は今回の役どころについて、「オリヴァーにうるさく口を出す、はっきり言っちゃえば嫌われ役なんですが(笑)、逆に言えば純粋で筋が通ったキャラクターなので、これからはじまるアフレコが楽しみです」と、演技への抱負を語った。
なお、バンダイミュージアムでは、本作の上映に先立ちオリジナル・フィギュア付鑑賞券の発売(詳細未定)や、来る7月19日からの3日間を1周年キャンペーン期間として、8Fガンダムカフェでの“719ランチ”“スペシャルカクテル719”(各税込み¥719)の発売や、物販店舗での“719福袋”、そしてニュー・トイの導入など、ファン垂涎の企画が続々登場予定とのこと。
(宮田晴夫)
『機動戦士ガンダム MSイグルー〜1年戦争秘録〜』
『機動戦士ガンダム』から25年。
伝説の“1年戦争”を背景に描かれる
激戦の荒波に消え去った“幻の兵器群”と
その試験に携わったジオン軍兵士たちの物語である!
− 宇宙世紀“秘められし艦” −
主人公の所属する部隊「第603技術試験隊」とは……。
各種の新開発兵器の実戦運用試験を行う部隊である。
「603」であるからには、「601」「602」など、類する部隊の存在が推測できるが、定かではない。
1年戦争開戦の3ヶ月前、戦争準備の一環として、技術本部スタッフを引っこ抜く形で、新たに設けられた部隊である。この部隊は、宇宙艦に座乗し、実戦運用試験を実施し、本国へ報告するのが役目である。
と書けば、それなりに様になっているようだが、実態はまるで違っていた。
徴用された船に、様々な立場の人間の集まった寄り合い世帯である。
そして、なによりも、配置されてくる新兵器には、さまざまな問題が山積していたのだ。
原作:矢立 肇、富野由悠季「機動戦士ガンダム」より
監督:今西隆志
脚本:大熊朝秀、大野木 寛
ベースメカニカルデザイン:大河原邦男
スーパーバイザー:出渕 裕
デザインワークス:出渕 裕、カトキハジメ、荒牧伸志、山根公利、藤岡建機