映画『アメリカン・スプレンダー』の主人公、ハービー・ピーカーは病院の書類整理の仕事をするかたわら、自らのパッとしない日常をテーマにしたシナリオを友人であるオルタナコミックの巨匠ロバート・クラムに漫画をつけてもらった「アメリカン・スプレンダー」で名をあげた人物。ハービー・ピーカー役に今最も注目される個性派俳優ポール・ジアマッティを迎え、ピーカー自身も本人の役として登場するなど、彼の現実の人生と漫画とをうまく交錯させて描き、サンダンス映画祭グランプリやアカデミー賞など多くの賞レースを席巻することとなった話題作『アメリカン・スプレンダー』。そんな彼が映画にも本人役で共に出演している愛妻ジョイスさん、そして愛娘ダニエルちゃんとともに、作品の舞台となったオハイオ州クリーブランドから緊急来日した。
 劇中も、ハーピー役のポール・ジアマッティが舞台化された「アメリカン・スプレンダー」を観にいくエピソードがあったりとまるで入れ子の入れ子のような感じも思わせるシーンもあるが、記者から“今回の来日をコミックに書いたりしますか?”という質問に「今色んな国をこの映画のために旅していて人生で、一番大きな旅に出ている途中なんです。だからすごく興味深い。イギリスで今回の旅をアニメにしないかという話もあるんですよ。アニメにもコミックにも日本のことは入れたいと思っています。」と答えた。そういうピーカーだが、アメリカのオルタナコミックは下降気味で人気が停滞しているというが、漫画先進国である日本では、特殊漫画家・根本敬さんとの対談を楽しみにしているのだとか。この会見の様子は動画メニューでお楽しみください!
(綿野)

★『アメリカン・スプレンダー』は2004年7月よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズにてロードショー

□作品紹介
アメリカン・スプレンダー