恋人にもフラれ家なし職なしで途方にくれていた主人公が出会った一匹の野良犬タムラ。タムラを心配しながらも自分自身の明日もわからない主人公が、セラピードッグトレーナーとしてタムラを育てていく姿を通して“セラピードッグ”という動物が人間に与える癒しや温もりを描いた『犬と歩けば チロリとタムラ』。5月1日公開初日、新宿武蔵野館では舞台挨拶が行われた。
 会場には、実際にセラピードッグとして活躍するタムラ役のピースとカリスマセラピードッグ役のチロリの2匹も登場。篠崎誠監督、主演の田中直樹(ココリコ)、りょう、藤田陽子、セラピードッグトレーナーとして出演もしている大木トオルら出演者も駆けつけた。「捨て犬だったチロリとタムラが、こんなにも人の役に立っているんですよ。」と篠崎監督。「やさしくて暖かい映画ですが、保健所を僕が訪れるシーンがあったりとドキュメンタリータッチな部分もあります。」と主演の田中。ガンで入院した母親の世話に実家に帰った主人公の恋人役を演じたりょうと、ひきこもりの妹を演じた藤田陽子とが部屋のドアを隔てて激しくお互いの感情をぶつけあうシーンもほとんど二人のアドリブによるものだったという。「処分されている犬たちがたくさんいるという現実を知ってほしいです。」と語る大木トオルが「スタッフがチロリとタムラをすごく大事にしてくれたのがうれしかった。夏の撮影ではタムラが暑いだろうからってスタッフがタオルをかけてくれた。それが可愛くてポスターにも使われることになったんですよ。」と裏話を教えてくれた。
 舞台挨拶後には、劇場出口でチロリとタムラが観客をお見送り。映画をみただけでなく、実際に2匹に接することができたお客さんはみんなニコニコで会場を後にした。

☆2004年5月1日より新宿武蔵野館、銀座シネパトスにてロードショー

□作品紹介
犬と歩けば〜チロリとタムラ