『コールド マウンテン』で本年度アカデミー最優秀助演女優賞を受賞したレニー・ゼルウィガーと監督のアンソニー・ミンゲラが来日、都内で記者会見を行った。
オスカー女優の来日とあって約700名のマスコミが集まり、ちょっぴり緊張気味のレニー・ゼルウィガーが撮影エピソードを語ってくれた。

−−−ルビー役がすごくピッタリですが、どうしてもこの役をやりたかったのはなぜですか?
レニー・ゼルウィガー:長年アンソニーのファンで、「この美しい映画に私も参加したい」と思っていました。そしてまず原作を読んで、キャラクターも好きになりましたし、文化的にも地理的にも好きな土地を描いていました。ルビーのように、これだけ映画の中で成長する役も珍しいと思います。ルビーの精神、子供っぽさ、ちゅうちょしない強さが大好きです。アンソニーとの体験は、俳優にとってすばらしい体験でした。彼は、何を達成したいかがクリアに分かる、すばらしい人で一生ゼッタイに忘れません。

−−−役づくりの為にした事はなんですか?
レニー:まず、アメリカの歴史を勉強しました。当時の社会的、文化的な事もです。原作にも、監督の脚本の中にも書いてありますが、どういう人物なのか、どういう生活をしてきたのかをじっくり読みました。ルビーの子供っぽさや、こわいもの知らずというキャラクターが動き方にも影響してきました。毎日いろいろな発見があり、監督と相談しながら決めていきました。

−−−アカデミー賞の受賞とオスカーを手にした時の感想を教えてください。又、オスカーは今どこにありますか? 
レニー:オスカーを受け取った時の瞬間は、覚えていないんです。その後、信じられないという思いと罪悪感を感じました。この体験ができたのも、沢山の発見ができたのも、全て監督のおかげだからです。それは、今でもオスカーを見る度に思います。オスカー像は、寝室においてあります。毎朝、起きた時に確認できるからです。

−−−:黒澤監督に影響を受けたとおっしゃっていましたが、具体的に教えて下さい。
アンソニー・ミンゲラ監督:まずは、この作品のテーマについて答えます。根底には、対立があります。そして、それをどのように解決すればよいかも描いたともりです。この映画は戦場のシーンから始まり、家族が一つのテーブルを囲んで、食事をするシーンで終わります。アメリカの歴史において、南北戦争は、深い傷をおわせた悲惨な戦争ですが、それをのりこえて生きのびた人が一つの家族となって、テーブルを囲むシーンなのです。現在、何かと暴力・武力で解決する世の中ですが、そうではないという事を作品を通して伝えたつもりです。食事のシーンの撮り方はわかっていましたが、戦争シーンを撮る事について、黒澤監督の生み出した手法を拝借しました。

『コールド マウンテン』は、明日、都内でジャパンプレミアが開催され、4月24日(土)より日劇3ほか全国ロードショー!

□作品紹介
コールドマウンテン