去る11月3日の東京国際ファンタスティック映画祭のクロージング作品『バレットモンク』の舞台挨拶に出席するため、3年ぶりにチョウ・ユンファが来日。アメコミを原作の作品世界でユンファが扮するのは、素手で弾丸の嵐に立ち向かい悟りの力で宙を舞う、名前を持たない不死身の坊主。
 ファンタの壇上では、お客さんと交流したいというユンファたっての希望で客席から質問を受け付けたり、質問に対し逆に質問を返したり、はたまたお客さんを壇上にあげて抱擁するシーンも飛び出すなど、スターとは思えない庶民的な雰囲気にミラノ座に居合わせた観客みんながユンファにメロメロになった。そんなファンサービス旺盛のユンファが、ファンタ2日後の5日に記者会見を行った。「これまで、取材や仕事ばかりだったから記者会見後はやっとフリーになるので、大好きな日本のラーメンを食べにこれから街へ繰り出したい!取材がなければ食べ過ぎてちょっとくらい太ったっていいでしょ?」と食いしん坊ぶりを発揮(お気に入りは原宿のじゃんがらラーメンだとか)。ここでも、通訳を通さずにできるだけの日本語で質問に答えようとしてくれたり、挙手をする記者たちに自ら指名して質問を受け付けたり、「もっとプライベートな質問をしてくれてもいいですよ!」と発言したり、ユンファのサービス精神、自由奔放さはここでも変わない様子であった。

—ジェニロペや、マライア、エミネムらのミュージックビデオ出身の監督ポール・ハンターや、二人の若い共演者に囲まれての現場はどうでした?
ユンファ「現場ではラップミュージックをずっとかけっぱなしでしたよ。MTVに慣れている監督ならではですね。彼は照明や撮影などすべて頭の中に完璧にある状態で現場にはいっているのですごくスムーズでしたよ。若い2人の共演者のおかげで僕も若返りました。まぁ僕も十分まだ若いんだけどね。」

—ハリウッド映画への出演が続いていますが、今後はどういう方向性で仕事をしようと思っていますか?
ユンファ「アジア系俳優にとってハリウッドでの仕事は限られているんです。ジャッキー・チェンやジェット・リーもそうだけど我々アジア俳優はどうしてもアクションから離れることができないんです。『アンナと王様』みたいないい脚本でドラマをみせる映画っていうのは少ないんですよ。しばらくはアクションをやりながら、そういったドラマをやれるチャンスを待とうと思っています。香港では十数年活躍しましたが、ハリウッドではまだたった4本。まだまだ色々ハリウッドで勉強したいことがたくさんあります。ですからしばらくはハリウッド中心です。」

—今回は久々にジョン・ウーとの仕事ですが、これからも昔のような香港映画でのユンファさんも観たいです!
ユンファ「次はジョン・ウー監督の『華工血涙史』という作品に出演しますよ。奴隷として売られ、鉄道建設をする話です。来年の冬にクランクインします。」
(綿野かおり)

☆『バレットモンク』は2004年1月17日、ニュー東宝シネマ他全国東宝洋画系にてロードショー!

■作品紹介
バレット モンク