魚の動きがとてもなめらかで、まるで上映時間丸々を海の世界で過ごした気分にさせてくれる映画、『ファインデイング・ニモ』。『モンスターズ・インク』でモンスターの世界を描いたピクサーが次に作り上げたのは、魚たちの物語だ。全米で大ヒットを記録した本作が、第16回東京国際映画祭の、クロージングを飾ることになり、その上映に先駆け、監督・原案・脚本そして海がめクラッシュの声も務めたアンドリュー・スタントン、共同監督のリー・アンクリッチ、そして『千と千尋の神隠し』の全米公開を支えた製作総指揮のジョン・ラセターが来日し、記者会見が開催された。
アメリカを筆頭に世界各国で大ヒットを記録するこの『ファインデイング・ニモ』。ヒットの要因について尋ねられると、「なんといってもこの作品が、観客の心の琴線に触れたんだろうね。父と子の心暖まるストーリー。リアルな海の世界を描いた映像。共感のもてるキャラクターたち。これらの要因が、親も子もあらゆる年代が楽しめるエンターテイメントとして受け入れられたんじゃないかな」とジョン・ラセター。リアルな海の映像ということで、どうやってこのリアルさを実現できたのかと聞かれると、「どんな映像の魔術を使えば、観客が海にいるような気持ちになれるか。魚というのは波に揺られているから、一点に留まらない。そんな小さな発見を映像のイリュージョンとして積み重ねることで、リアルな海を描くことができたと思うよ」と答えたのは、会見中、クラッシュの声やアホウドリの声で会場を沸かせたアンドリュー・スタントン。リアルな海の世界で生活するキャラクターたちは、全て実在する種類の魚や海の生物ばかり。「水族館で子供が水槽を指差し、”これはニモに出てた魚だよ”と言っている姿を見て、とてもうれしい気持ちになった」と笑顔で語ったリー・アンクリッチ。そこへ花束贈呈に高岡早紀が登場。「父と子の絆のストーリーに、母親である私はちょっぴり嫉妬しちゃいました」と感想を述べ、会場の笑いを誘った。
アカデミー賞への期待が高まる本作は、2003年12月6日より丸の内ピカデリー2、渋谷東急ほか全国拡大ロードショー公開となる。(Mika Saiga)
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