ベネチア国際映画祭にも出品された『ヴァイブレータ』。聴覚、視覚、皮膚感覚を通じて現代女性の”痛み”を描いた本作が、現在開催中の第16回東京国際映画祭で上映された。この上映に併せ、映画祭の会場であるBunkamura内のカフェ・ドゥマゴで、本作の完成披露パーティーが催され、主演の寺島しのぶと大森南朋、そして監督の廣木隆一が会場を訪れた。
撮影は2月から2週間行われ、編集などを経て4月に完成した。短気集中で撮影された本作の中で、密度の濃いラブシーンを演じたのは寺島しのぶと大森南朋。「大森くんとは『赤目四十八瀧心中未遂』で共演したときに、”色っぽい俳優さんだなぁ”って思ったんですよ。今回は絡むシーンが多かったでしょう。だからやるなら大森くんがいいなって思ってたんです」と気心の知れた大森がラブシーンの相手でよかったと語る寺島。一方の大森は「いつもオタクとか痴漢の役ばかりだったから、今回寺島さん相手に、岡部というイイ男を演じられてよかったです。でも風呂場のシーンは大変だったなぁ。」としみじみと語っていた。彼がいう風呂場のシーンは、2人とも全裸で望み、監督から”オッケー”が出るのに8テイクかかったという、まさに渾身のシーンである。「2人ともよくやってくれました。おかげで映画祭にも出品することができて、大変光栄です。」と晴れやかな様子の廣木隆一監督。そこへ本作の原作者の赤坂真理が登場。「まさかこの作品が映画化されるとは思いませんでした。映画化自体、無理だろうなぁ、と思っていたし、演じてくれる俳優がいなよなぁ、って思っていましたから。でもこうして完成して、映画祭にも出品され、役者やスタッフの皆さんに心から感謝しています」と感激の面持ちだった。
なお『ヴァイブレータ』は、12月6日(土)より、シアターイメージフォーラムにてロードショー公開となる。(Mika Saiga)
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『ヴァイブレータ』