釈由美子が妖しい魅力で「怨みの門」の門番イズコに扮し、好評を博したTVドラマ『スカイハイ』が、TV版最終話も撮った北村龍平監督の手による待望の劇場版がついに完成。今回の劇場版は、結婚式当日に惨殺された美奈=釈が「怨みの門」の門番イズコになるまでを描いた“エピソード1”的な物語。TV版同様ミステリアスな物語に加え、TV版には無かったアクションを大々的に盛り込んで描いた、ハイパー・エンターテイメントに仕上がっている。
 11月2日この劇場版がファンの圧倒的な熱狂の中で、映画祭特別招待作品としてシアターコクーンのスクリーンに登場した。当日は北村龍平監督を筆頭に、美奈役の釈由美子、事件のキーとなる工藤役の大沢たかお、婚約者であった美奈を殺されその復讐に燃える神埼役の谷原章介、TV版で二代目イズコを演じ今回は美奈同様事件の犠牲者として登場する山田麻衣子、見えないものが見えてしまうことから事件の渦中に巻き込まれていくカメラマン岸役の田口浩正が来場し、それぞれ作品の魅力をアピールした。監督、出演者ともコメントの合間に、つっこみや軽口が発せられ、そんなところからも逆にチームワークのよさが垣間見られいい感じである。
 「見て惚れ惚れするようないい男、いい女、愛すべき最高の役者さんたちスタッフ・キャストと、どうだと胸をはって出せるものを持ってきました」と完成した作品への手応えを語った北村監督。そもそも北村監督と釈がTV版のために最初に顔合わせをしたのは、昨年の東京国際映画祭でのことということで、今回劇場版として舞台に立ったことに感慨もひとしお。「伝えたかったことは愛。愛の為にどこまでやれるんだということを、この時代に堂々と言おうじゃないか。全員が、田口さんでさえ愛の為に戦いますから、そこを見て欲しいです」とコメントした。
 また撮影中何度も転びながらも激しいアクション場面に挑んだ釈は、イズコお得意の極めポーズと極め台詞のサービスを交えながら、「黄色いジャージの人や、黒いサングラスの人には負けないくらいのアクションで頑張りました、是非楽しんでください」とこちらも素敵な笑顔でコメント。
 なおこの舞台挨拶の模様は、東京国際映画祭初の試みとして、Bフレッツ回線により渋谷の会場と、札幌、大阪、九州、六本木の会場及びフレッツユーザー向けサイトに同時配信され、全国1万人以上の映画ファンが映画祭の熱気を同時体験した。中でも札幌シネマ・フロンティアは、シアターコクーンと双方向で結ばれ、スクリーンに写された北海道のファンが、ゲストに質問を楽しむ一幕もあり、ファンを楽しませてくれた。
 なお、『スカイハイ 劇場版』は11月8日より、全国東映系にてロードショー公開!
(宮田晴夫)

□公式頁
東京国際映画祭
□作品紹介
スカイハイ 劇場版