渋谷パンテオンから新宿ミラノ座に会場を移し今年も10月30日のハロウィンから5日間のお祭り騒ぎを敢行する東京国際ファンタスティック映画祭2003。なかでも”10分間過不足なしのショートフィルムフェスティバル”である作品公募企画「600秒」が話題となっている。10分という時間は起承転結が成立しずらく作り手にとってはやっかいな時間数。しかし、映画祭チーフクリエイター・いとうせいこう曰く「600秒というのは、難しいからこそ最もクリエイターのアイデアや才能が如実になるタイム設定」だそう。

 応募作品の中から選ばれた作品はミラノ座の大スクリーンに上映されるという夢のような待遇が待っている。(残念ながら現時点での募集は終了。)プロの映画監督ですらミラノ座クラスの大スクリーンで作品が上映される機会はごくわずか、明日を夢見る映画人たちには嬉しい特典だ。そんなファンタのふところの広さに飛びついたのか、ファンタだったら自分の作品を判ってくれるかも!と思ったのか、予想を上回る応募数に驚きつつ、現在600秒委員会は一次選考に入っている状態です。そんななか、10月31日の「600秒」で招待作品として最新ショート作品が公開される山口雄大監督と、ファンタではおなじみの映画評論家の塩田時敏氏が「600秒」をめぐって都内某所で対談を行った。

 今年のゆうばりファンタではデビュー作『地獄甲子園』がヤングコンペティション部門でグランプリ受賞を果たした山口監督、ゆうばりファンタのオフシアター部門でディレクターをつとめ毎年多くの公募作品を選考している塩田氏。自主制作時代からギャグ映画一筋で盟友・坂口拓とともに多くのショートフィルムを撮りつづけていて、ゆうばりのオフシアター部門にも何度も応募していたという山口監督(6月のパンテオンでのファンタイベント”あばよ!パンテオン”では初期の爆笑短編『手鼻三吉』が上映されましたね!)の発言に塩田氏「全然おぼえていない・・・」と気まずそうに告白。山口監督なりのショートフィルム観、ギャグ映画というジャンルに対する熱い思い、塩田氏の作品を選ぶポイント、選考する側からの意外な意見などなど、さまざまな発言が飛び交ったこの対談は今年のファンタのカタログでたっぷりとご覧いただけます。乞うご期待!
なお、山口監督の「600秒」招待作品は『地獄甲子園』に引き続き、漫☆画太郎原作もの。現在撮影中。詳細はまた追ってレポートしたいと思います。こちらも乞うご期待!
(綿野)

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東京国際ファンタスティック映画祭2003