黒沢清が『アカルイミライ』の先にたどり着いた新境地ともいえる最新作『ドッペルゲンガー』。
ドッペルゲンガー=分身に翻弄されるエリート研究者早崎と、その分身という一人二役を演じきった役所広司の存在感は圧巻。弟の分身に悩みながらも逞しく生きる由佳役で魅力を存分に発揮させた永作博美、そして分身に金で雇われた君島としてユースケ・サンタマリアが登場。また、ジャズの要素を大胆に取り入れたサウンドが人気のインスト・バンドPE’Zが手掛けた主題歌も大きな話題となっている。 渋谷シネ・アミューズでの公開初日には、黒澤清監督、役所広司、永作博美、ユースケ・サンタマリアの面々が舞台挨拶を行った。

黒澤清監督「僕の映画はいつも怖かったりわけがわからなかったりするんですが、今回は最後まで楽しめる映画になっています。勘違いされていると困るんですけどホラーじゃないですからね!心から楽しんでもらえれば幸いです。」

役所広司「今までの黒沢作品と違った感じで明るいノリで気軽に楽しんでいただけると思いますよ。私はドッペルゲンガーも出ていますから撮影には時間がかかりました。本人の役を演じている時、ドッペルゲンガーの方は代役に演じてもらって、あとでそのシーンのドッペルゲンガーの方を私がやって、その時は本人役を代役の方がやって・・・という風に交互に撮影していきました。面白いユーモアがたくさんつまっている作品です。」

永作博美「初めての映画出演でとても緊張していました。撮影はすごく楽しかったです。出来上がった作品を見終わった時、すごく爽快に感じました。それくらい終わった後気持ちいい気分になる映画です。」

ユースケ・サンタマリア「自分がこのメンバーと並んでここに立っているのは場違いな感もあるんですが、日本映画って面白いんだけど同じ人ばかり出ていませんか?だから僕みたいなのが出ていてもいいじゃないかと思います。こうみえて僕はかなり映画好きで観てるんですよ!だから監督に誘っていただいて本当にうれしかったです!次回もこの4人で五部作くらい作っていきたいですね(笑)!」

出演者の挨拶が一通り終わったところで、特別ゲストが客席に登場!司会者の合図で一斉にお客さんたちが特製のお面をかぶり、客席全員が役所さんのドッペルゲンガーに!これには全員がびっくり。みんな「気持ち悪い気持ち悪い」を連発。ユースケの「ところで役所さんにはギャラ二人分払ってあげた方がいいんじゃないですか?」のコメントに会場大爆笑であった。
(綿野)

☆『ドッペルゲンガー』はシネ・アミューズ、新宿武蔵野館ほかにてロードショー!

■作品紹介
ドッペルゲンガー