秋の東京は映画祭がいっぱい!今年で4回目をむかえる「東京フィルメックス」もそのひとつ。新・作家主義国際映画祭と題し今年もバラエティに富んだ充実したプログラムが発表となった。<東京フィルメックス コンペティション>9本、<特別招待作品>7本、特集上映<イスラム革命前のイラン映画>7本、<清水宏 生誕100年>10本の全33本。コンペ部門は韓国から新人監督チャン・ジュンファンの超絶エンターテイメント『地球を守れ!』、ユ・ジテ監督によるホラー『鏡の中へ』、イランから『Joy of Madness(原題)』『ディープ・ブレス』『2つの思考の間の沈黙』、中国・香港から『オール・トゥモローズ・パーティーズ』、『香火』、そして日本からはみうらじゅん原作漫画を盟友・田口トモロヲが初監督した『アイデン&ティティ』、佐賀出身監督中国正一(ちゅうごくしょういち)による刺激的作品『815』の11本が選ばれた。特別招待作品のオープニングは、キム・ギドク監督最新作『春夏秋冬・・・そして春(仮題)』、クロージングは巨匠・森崎東のパワフルな群像劇『ニワトリはハダシだ』。ほかジョニー・トウ監督の『PTU』、ヴァーチャルゲームを題材とした野心作『マッチ売りの少女の再臨』やイスラム革命時に生きた若者たちの青春映画『アブジャット』、イスラエルの巨匠・アモス・ギタイの『アリラ』、昨年のフィルメックスオープニング作『エルミタージュ幻想』のアレクサンドル・ソクーロフの秀作『ファーザー、サン』を上映する。また、特集上映<清水宏 生誕100年>では『有がたうさん』をはじめニュープリント3本を含む10作品を鑑賞することができる。『渚の日本娘』は生伴奏付で上映が行われる。そして<イスラム革命以前のイラン映画>は、ニューウェーブとして多くの才能ある監督たちが生まれながらもイスラム革命により厳しく検閲され、イラン国内ですらほとんど上映される機会のない革命以前の秀作が上映される。マスード・キミヤイー、ダリウシュ、ナセール・ダグヴァイ、アッバス・キアロスタミなどオールスター監督の革命以前の作品というほぼベストに近いラインナップだ。
また、会見にはコンペティションで初監督作『アイデン&ティティ』が上映される田口トモロヲが登壇。「10年前にみうらじゅんさんのこの原作に出会い、とても大好きな作品でいつか自分の仕事の中で表現したいとずっと思っていました。それが最終的には自分が監督するということになり形にすることができてとても嬉しいです。」と語った。
(綿野かおり)

☆第4回東京フィルメックス2003は11月22日〜11月30日有楽町朝日ホール他で開催!

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