11月から渋谷で開催される東京国際映画祭(TIFF)の作品ラインナップがほぼ決定した。363本のエントリーから選ばれた15本を上映し、コン・リーを審査委員長にむかえた特別審査員によってグランプリほか各賞を決定するコンペティション部門(監督および関係者によるティーチインあり)、オープニング作品に向田邦子原作テレビドラマを映画化した『阿修羅のごとく』、クロージング作品のピクサー製作によるフルCGアニメ『ファインディング・ニモ』をはじめとする22本を上映する特別招待作品部門、特選した17本のアジア映画を上映するアジアの風部門、中村玉緒、香川京子、岸恵子ら名女優たちの少女時代をテーマとした作品を上映するニッポン・シネマ・クラシック部門、日本映画の今を捉えたニッポン・シネマ・フォーラム部門、今年で二回目を迎えるCG映像祭、スタジオジブリデーも予定しているジャパニメーション特集など、さまざまな自主企画が準備されている。
 また、協賛企画には、ゲストに吉永小百合を予定し女性監督作品13本をそろえている「東京国際女性映画祭」、『月曜日のユカ』など50〜60年代の日本映画の中でモダンでスタイリッシュな作風で知られる中平康を再評価した「中平康レトロスペクティブ」、没後10周年を記念した「フェデリコ・フェリーニ映画祭」、その他「コリアン・シネマ・ウィーク2003」、「勝新太郎映画祭」、「オーストラリアフィルムコミッション」などこちらも盛りだくさんの内容が協賛企画され、映画ファンは鑑賞スケジュールの調整に頭を悩ませることになりそうだ。
 なかでも毎年渋谷パンテオンで開催されていたお騒がせ映画祭「東京国際ファンタスティック映画祭」は、老朽化にともない閉館になったパンテオンから会場を新宿のミラノ座にうつし、今年は、昼夜ぶっとおしの5日間連続上映を強行!(去年の前代未聞のオールオールナイト上映は序章にすぎなかったのかしら?)公募によるジャスト10分のショートフィルムアワード「600秒」や、新宿区、歌舞伎町商店街の後援も得て、近隣の飲食店の割引やクリーンキャンペーンへの参加、昨年から実施されているボランティアスタッフ「ふぁんた組」の参加などが行われる。パンテオンを失いはしたもののそんな心配をよそに新宿ミラノ座を新たな舞台として、去年より格段にパワーアップした内容で観客を楽しませてくれるだろう。ラインナップ、その他イベント詳細はホームページにて。
(綿野かおり)

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第16回東京国際映画祭
東京ファンタスティック映画祭2003