現在公開中の北野武監督最新作『座頭市』が先日おこなわれたイタリアのベネチア国際映画祭において監督賞にあたる銀獅子賞を受賞した。公式の賞以外にもオープン2003賞、観客賞、フューチャー・フィルム・フェスティバルデジタルアワードなどあわせて4冠を獲得した。日本での公開初日が重なったため受賞式には出席できなかった北野監督にプロデューサーの森昌行からトロフィーが手渡された。

受賞に関しては、「カンヌの時も期待してたらガッカリしちゃったんで、あんまり期待ないようにしてたんだ。こういっちゃなんだけど、やっぱり観客が選んでくれた観客賞が一番うれしいね。」故・黒沢明監督から生前「日本映画を頼んだ」という手紙をもらったことがあるという話に記者が触れると、「黒沢監督もそうだけど勝(新太郎)さんのこともすごく海外でインタビューされました。黒沢監督と勝さんのことはすごく丁寧に答えてました。そうすることが2人へのいい供養というか、恩返しになると思っています。」と北野監督。ちなみに奇しくも日本公開初日9月6日は黒沢監督の命日だったとか。「今回の映画に協力してくれた人たちの多くは浅草時代の古い付き合いの人たち、みんなの縁が集まってすごくいい方向にいってよかったな〜と思ってる。(監督賞をとったことで)今後監督コントもやり易くなるなぁ。ベネチアから帰ってきてからテレビ番組の収録があったんだけど、楽屋に変な着ぐるみが置いてあって相変わらずそれを着て出演してきました(笑)。」世界のキタノと呼ばれるようになって、だんだんと大監督、巨匠とも呼ばれだしてきたことに対しても、「俺はやっぱり、飲み屋でタケちゃんってよばれるのが一番だなぁ。」とにんまり。芸人ビートたけしのスピリッツは北野武の中に変わらず存在している。

☆『座頭市』は丸の内プラゼール他全国松竹東急系にて《最強》公開中!!

□作品紹介
座頭市

(綿野かおり)