押井守の「攻殻機動隊」のオリジナルストーリーとしてテレビ放送されている神山健二監督による「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」が、「東京国際アニメフェスティバル2003」にてアニメ作品部門優秀作品賞を受賞したことを記念して、恵比寿ガーデンプレイス内東京都写真美術館ホールでスペシャルトークショーが行われた。神山監督と、スカパーの放送で大ファンになったというDJ.DRAGON、評論家の福富忠和、こずえ鈴がゲストとして登場。

神山監督は作品についてこう語った。「すごくプレッシャーが大きかった。有名な作品だし漫画のファンのたくさんいるのでもうイメージが出来上がっていますから。それを壊さないように、なおかつ新しいものをつくりたいという気持ちもありましたので難しかったです。監督を指名された時は本当にうれしかった。僕がこの作品を作っていいんだろうか?と思いましたね。自分なりの方向性は、今回の攻殻機動隊はテレビシリーズで26本あるので、どうしたら飽きさせずに見てもらえるだろうかを考えて、自分が中学生の時にみていた刑事ドラマだろか、最近の「ER」みたいな海外ドラマの脚本や構成を参考にしてみたり工夫しました。一番勝負してるのは「笑い男編」という話です。これだけは完全なテレビシリーズのオリジナルです。このエピソードがどれだけファンに受け入れられるかが僕の勝負だと思います。」

これについては、メディアプロデューサー福富忠和はこう付け加えた。
「この作品はアニメファンじゃなくてもかなり楽しめるフックがいっぱいあります。例えば、ワインひとつとってもワイン好きがみたらどの位の値段がするものなのかということがストーリーに絡めてみると意外な見方ができるし、車のデザインをみても、設定が今から30年後くらいですから、車ファンが見てもそのころの最新モデルであろうと納得できる素晴らしいデザインになんです。「笑い男」なんてサリンジャーの短編を読んだことがある人にはものすごいよくわかると思いますよ。」

神山監督「僕は声優さんとかにもくどくど演技指導したりとか、わりとあっさりしたイメージをスタッフキャストにもたれていたみたいなんですが、ラストになるにしたがって、「監督にこんなマッチョな面があったなんて」といわれてしまいました。音楽の菅野ようこさんも新たに6曲書き下ろしてますし、大塚明夫さんは、「監督が納得するまで何度でもやるからどんどん言ってね!」と意ってくださって、本当にラストに向かって全員の力が集結しているという感じですね。」

☆「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」はスカイパーフェクTV!でベイ・パー・ビュー放送中