『クーロン・オブ・エイダ』トークショー SF作家・山田正紀編
生きていたころの記憶を、コンピュータの中にデジタルデータとして封じ込め、クローン人間として生きる…。究極の不老不死の技術「クローン技術」をテーマにした、アート・サイエンス・ファンタジー映画『クーロン・オブ・エイダ』。そのトークショー第3回目が、8月16日(土)、新宿武蔵野館で行われた。
トークショーには、登場キャラクター「エイダ・バイロン」を描いた小説『エイダ』(ハヤカワ文庫)の著者で、映画『クーロン・オブ・エイダ』にも文章を寄稿している、SF作家の山田正紀氏が出演。
「エイダ・バイロンのことを知ったのは10年前以上です。コンピュータ関係のことで知り、エイダという名前の響きがステキでいろいろ調べているうちに、彼女の魅力にのめり込んでいきました。エイダは、現実とフィクションが交差している不思議な女性で、コンピュータが単なる大きな計算機ではなく、エンターテインメントを生み出すものと考えたエイダは、小説『フランケンシュタイン』の作者で、詩人だったエイダの父親の知り合いのシェリー夫人と同様に、科学の時代と呼ばれる20世紀を早くから予見していたすごい女性の一人でしょう。エイダそのものが、20世紀の女性を象徴している気がします。日本では、エイダのことを詳しく調べた人はまだ少ないですが、彼女を調べれば調べるほど、新しい何かが見つかると思います。この映画は舞台劇のような作りになっていて、見ていて混乱するかもしれません。でも、エイダの生きていた19世紀と、現代が交互に描かれていくと考えれば、わかりやすいと思います。シンプルな美しさを持った映画だと思います」(山田)と、SF作家の視点からこの映画の魅力を紹介。
「ショッキングだけれど、現実に未来に起こるかもしれない世界」を描いた、映画『クーロン・オブ・エイダ』は、新宿武蔵野館で連日21時10分よりレイトショー公開中。また、8月23日(土)には、湯浅 学(音楽評論家)、常盤 響(デザイナー)の両名をゲストに呼んだトークショーを行う予定。
□作品紹介
クローン・オブ・エイダ