ファンクの帝王JBことジェームス・ブラウンの名曲「セックスマシーン」の有名なフレーズ”get up!”をタイトルにしてしまった辛口映画批評でおなじみの井筒和幸監督のひっさびさの新作『ゲロッパ!』が公開初日を迎えた。テレビ朝日の「虎乃門」では、映画への愛ゆえに軟弱な映画製作に対してふだんから唾を吐きつづけてきた井筒には、「そんなにゆうならあんたの映画見せみな!」と多くの視聴者が思ってきたことだろう。そんな井筒監督の新作は、西田敏行演じるヤクザの組長が刑務所への収監を前に、生き別れた娘に会いたい、あとJBにも会いたい!と言ったことからはじまる観る者すべてを笑いと涙の渦巻き込む、スーパーファンキー娯楽大作!初回上映後、新宿東急には、井筒監督、西田敏行、岸部一徳、山本太郎、太田琴音(子役)、桐谷健太、吉田康平ら出演者が登場した。映画さながらのゴットファーザールックで西田が登場するやいなや、会場は大盛り上がり!客席の映画への満足度がうかがえる。

西田「サングラスかけてきたんですが、これはカッコつけてるわけじゃないんです。お客さん一人一人をみていると涙が出てきちゃうから隠しているんです。」

岸部一徳「観終わった後、拍手が聞こえてきました。舞台袖でそれを聞いていましたが、こんなにうれしいことはないです!」

山本太郎「サッム〜い蒲郡で撮影してた時は、まさかこんな日が来るとは思っていなかった。」

井筒「西田さんは、ほとんどの出演者が関西人だった中、一人だけネイティブじゃなかったけどものすごい関西弁上手でしたよ。アドリブで”どちらさんもエベスさんもあるかいな!”っていうセリフをおっしゃったんですが、そんな言葉使うの大阪のおっちゃんしか言わないですから。すごい人ですよ。」

観客のあったかいムード、そして共演者たちがそれに感激している様子がひしひしとつたわってくる舞台挨拶であった。井筒監督は「映画なんてもうやめたろ、なんて思うことも何度もあったけど今回『ゲロッパ!』こんなたくさんのお客さんにみてもらえて本当にうれしい。」と。ちょっと目がウルウルさせながら語ってくれた。

☆『ゲロッパ!』は、渋谷シネ・アミューズ他、全国拡大ロードショー!!

□作品紹介『ゲロッパ!』

(綿野かおり)