『焼け石に水』や『まぼろし』のフランソワ・オゾン監督、そして最新作である『8人の女たち』の主演女優のヴィリジニー・ルドワイヤンさん、リュディヴィーヌ・サニエさんの来日記者会見が、都内で行われた。
フランスで本年公開され、いきなり昨年の話題作『アメリ』を抜くオープニング記録を樹立し、人々を熱狂させ、ベルリン映画祭では、前代未聞の8人の女優たちに全員に銀熊賞<最優秀芸術貢献賞>が贈られるという快挙を遂げる話題を提供している。
いま、フランス映画界ではもっとも一緒に仕事をしてみたい監督に名が挙がるほど話題の監督フランソワ・オゾンが来日し、撮影秘話や作品の内容を語ってもらった。

オゾン監督 「こんばんわ、日本のみなさんに作品を紹介できてうれしく思います、8人の中から美しい2人だけを連れてまいりました。」
ルドワイヤン 「こんばんわ、私にとってこの作品で演じるというのは、素晴らしい経験になりました、とても私は好きな映画です。」
サニエ 「(日本語で)もしもし、こんばんわ。」
サニエ 「日本にこれて幸福に感じています。日本に来るのは初めてですが、作品の紹介に日本にこれて大変光栄に思っています。」

−−−女優さんの中から一緒に仕事をしたい監督ナンバー1に選ばれていますが、監督御自身の中で女優さんをキャスティングする基準はありますか?
オゾン監督 「女優さんと仕事をするときは、まず役作りが大切で、その役に一番会っている人を選びます。今回のこの女優と仕事をしたいと先に考えたわけではなく、前作の「まぼろし」でシャーロット・ランプリングでいい仕事ができたので、今回も女優と仕事をしてみたなぁと「8人の女たち」が決まったわけです。
サニエ 「オゾン監督とは、仕事ができて光栄に思っています。以前『焼け石に水』で出演しており、他の女優さんよりは、一歩先に出ているかもしれません。今回の作品とは内容も異なりますが、監督の仕事の仕方を大変よく心得ておりますし、仕事をすることに対して大変うれしく思います。オゾン監督は、俳優たちの声に耳を傾けてくれますし、とても正確ですし、監督はカメラも持てる人で、とてもユーモアのもてる人でもあります。」
ルドワイヤン 「だいぶ前から仕事をしてみたいと思っていました。女優として監督とはとてもやり易く、物事をはっきりと明確にしてくれる人で、8人の女優たちが存在している中で、存在感というものを出していく、女優にとって難しいことなのですが、オゾン監督の手にかかると、とてもノーマルでシンプルにことがすすむので、カメラ映像をみてフレームを作ることができる人なので、一人一人、細かな演技指導をしてくれます。」

−−−8人の女優を一度に使われて苦労はありますか?気を使った点は?
オゾン監督 「キャスティングで8人がすべてが出演をOKしてくれるとは思いませんでした。2〜3人集まればいいかなぁと思っていました。8人すべてOKになったのと同時に早い時期に撮影が開始になってしまいました。準備の段階では、女優さんに対して歌、衣装、役柄などについて個別に一人づつ対応をしていたのですが、撮影に入ると6人が一度に集まったときに、いざ撮影に入ると実際大変な作業で、その作業は、自分の体を8つに分割して作業しているようなもので、これではいけないと感じました。
女優さん一人一人仕事のやり方が異なるので、それぞれに適応していかないといけなかったのです。しかし、女優さんのほうも大変さに気づいてくださって、助けていただきました。時間が経つにつれて仕事がスムーズに運ぶようになりました。」

−−−脚本のマリナ・デ・ヴァンについて監督の初期の作品では女優として参加していましたが、その関係は?セバンスチャン・シャルルが振り付けを担当していますが、初期の作品では出演していましたが、その関係は?
オゾン監督 「マリナ・デ・ヴァンとは、映画学校の同級生で、卒業制作の作品に出演してもらっています。また、彼女の作品にもすごく興味をもっており、その才能を高く評価しており、一緒に仕事をしようということになり『海を見る』という作品で出演してもらいました。彼女は、登場人物の人物像を深めるという面で貢献しており、ベアールが演じた女中さん役の部分などは、もともとの物語の中では、あまり面白くない役で、よくフランスにいる横柄な女中さんの役で、それがもっと邪悪なものを秘めた人物像に作り上げてくれました。セバンスチャン・シャルルについては『サマードレス』で俳優ということで、知りましたが、振り付けに関しては、プロの方に頼みたくなかったんです。振り付けを誰でもが覚えやすいものしたかったのと、女優もダンスが上手いわけではないので、あえてプロに頼まずが簡単でかつ覚えやすいものということで、『焼け石に水』でもお願いしたときに、とてもよかったので、今回もお願いしました。現在、彼は、振付師として仕事が沢山入ったそうで、活躍しているそうです。」

−−−ルドワイヤンさんとサニエさんは、ディオールのニュールックでハリウッド女優を思わせる、サニエさんは『巴里のアメリカ人』のレスリー・キャロンのイメージでルドワイヤンさんは、オードリー・ヘップバーン風の大女優のようなイメージを思わせているのですが、いかがだったのでしょうか?
ルドワイヤン 「この衣装で役を演じることは、とても楽しいと思いました。オゾン監督は、作品の中でいろんな方へのオマージュを捧げていました。私が演じたスゾンの役に関しては、オードリー・ヘップバーンをイメージして着ている衣装よりは、髪の形とか帽子なども思わせるものになっています。実際には『麗しのサブリナ』とかをそのまま演じているわけではないので、オマージュを贈るということで、演技は楽しいものでした。
サニエ 「衣装や人物像を見ると『巴里のアメリカ人』のレスリー・キャロンを思わせるものなのですが、役柄としてはシンボリックなものを思わせているだけで、私はそんなに気にしないで演じました。衣装に関しては、私だけズボンをはいていたので、動きやすかったので、男性的な動きができました。

記者会見後に、映画に協賛している銀座LANCELのお店でカクテルパーティが行われた。多数のマスコミ、映画関係者などで賑わい、楽しいひとときをすごした。
フランソワ・オゾン監督『8人の女たち』は、11月23日(祝)より渋谷シネマライズ、銀座テアトルシネマにてロードショー公開される。
フランソワ・オゾン監督が往年のハリウッド映画の女優たちにオマージュを捧げ、斬新な撮影手法とすばらしい8人の女優たちによるロマンチックな物語は、見るもの誰もが驚くでしょう。

LANCELのお店では、『8人の女たち』オリジナルトートバッグを発売する。
フランスのバッグ&ラゲージ・ブランド、ランセルでは、10月よりランセル銀座本店限定で先行発売されている。映画公開中は、各上映劇場の売店でも購入することもできる。
価格は、9500円。A4サイズの書類も入る便利なサイズ(35cm×35cm×13cm)。
ランセル銀座本店
東京都中央区銀座7−8−5
TEL:03-5537-1100

なお、記者会見で展示された8人の女優が着た衣装は、11月22日からオペール銀座、ペール大阪で展示される。
詳しくは、オペール公式サイトを。
また、OPAQUE×「8人の女たち」クリスマス・コラボレーション!も下記の日程で開催される。
★X’masスペシャルトークショー
人気モデルの長谷川理恵さんをゲストに迎えたファッショントークイベント。
映画「8人の女たち」の紹介はもちろん、長谷川理恵さんのライフスタイルや、クリスマスの過ごし方、そしてオペークで見つけたお気に入りアイテムなどをお話していただきます。
オペーク銀座:11/22(Fri.)18:00〜
オペーク大阪:11/23(Sat.)17:00〜