「正直言って、メイクアップはつらかった。朝の二時に起きて四時間くらい掛かって、やっと『青の目の男』になる。でも、映画が完成したら日本に来れると思ってがんばったんだよ」。記者会見でこんなリップサービスを飛ばしてくれたのは「X-MEN2」に出演したアラン・カミング。撮影タイムでは(ハリウッドスターには珍しく?)ピースサインを出しつづけるあたり、お茶目な人柄を感じさせてくれるのだ。この日、四月十八日に行われた「X-MEN2」の会見には本作で華麗なるバトルアクションを披露したケリー・フーも登場。「出演者は素晴らしい俳優ばかりだから、ものすごく緊張したわ。うまくできるのかなって。けれど、みなさん、私を歓迎してくれて、プレッシャーも杞憂に終わったわ。自分で満足のいく作品を持って日本に来れたのはとても嬉しいこと」。今回、大作への抜擢となったケリーだが、既に貫禄たっぷり、東洋的色気を漂わせ、ブレイクは間違いなし。五月三日のロードショー初日に早速確かめてみようではないですか。
 さて、記者会見は低めの円卓テーブルが功を奏し、いい感じでラフ。アラン&ケリーの受け答えも親しげでポイント高し、である。
 「苦労した点?やっぱりファイトシーンよね。以前にも映画やテレビでやってきたけど、ワイヤーワークがつくと本当にたいへん。ワイヤーワークのスタントは準備なんてできないし・・・。運動神経はそう悪いほうじゃないのだけれどね、普通にキックする場面でもそれなりに大変でしょ、それがワイヤーでつられたまま、キックするとなるとその10倍はきつい(笑)。全身痣だらけになるし、捻挫したり、手首を痛めたり、生傷は絶えなかったわ。だけど、出来上がった作品を見てその苦労も吹き飛んだ。仕上がりには大満足よ」(ケリー・フー)。
さて、本作のキャストは前作に続くヒュー・ジャックマンのほか、アカデミー賞女優のハル・ベリー、そして、ベテランどころのパトリック・スチュアートやイアン・マッケランの名も並ぶ。今春の目玉作品のひとつなわけだ。アラン・リックマンはこう言う。「プレッシャーは考えないようにした。マーケティング的にどうだとか、大作であるとか考えても仕方ないよね。実は「X-MEN」は見てなかったんだ。役をもらった時、「見た」って言ってたんだけど本当は見てなかった(笑)。撮影の途中でアシスタントにこっそりーー茶色い袋の中に入れてーー持ってきてもらったんだ。それが逆に良かったと思う。見てなくて本当に良かったよ」。ハル・ベリーとの共演はどうでした?の質問には「とにかくラブリーだし、ゴージャスな女性。アカデミー賞を取ったりしたけど、本人はそんなの意識してないんじゃないかな。肝っ玉姉ちゃんみたいな感じだよ」、とのこと。

□作品紹介
X-MEN 2

『X-MEN2』は、2003年5月3日より日劇1ほかにてロードショー公開