壱、主人公は女刑事であること!
弐、完成尺は十分を一秒でも超えてはいけない!
参、本編中に最低でも五回ギャグを入れること!

現在の日本映画を引っ張るクリエイタ−たちが決められたルールのもと競い合う、ギャグ満載のショート・フィルム・オムニバス『刑事まつり』。関係者の予想を裏切り(?)、東京のシネマ下北沢を筆頭に、各地で満員札止めが相次ぐ動員記録を打ち立て、賛否両論を巻き起こした、あの企画が性懲りも無くまた帰ってきた!参加監督は新メンバー10人。しかも今度は全作品、女刑事が主人公の期待度バクハツのフルスロットル企画であります。劇場では連日上映とともに、この企画に参加した監督や俳優をゲストにむかえトークショーが開催されている。3月26日のト−クゲストは、ピンク映画のジャンルで次々と傑作を生み出し、ロッテルダム映画祭など世界の映画祭で注目を集め、最近では『ドッグ・スター』『SFホイップ・クリーム』など一般映画にも進出した、瀬々敬久監督と主演の佐々木ユメカさん。今回は『姦(かん)刑事』で参加。

瀬々監督「今回の企画は、祭なんで皆さん楽しんで下さい。」

まず作品を作る前にこの企画の記者会見があってここに来る時に、女が3人でてくるのと、電車の踏み切りの”カンカンカン・・・”という音が聞こえてきたので、こういった作品にしようと思ったという。撮影は一日で終了したものの、編集作業に失敗して、データをおとしてしまうなど自らを「アナログ人間」とおっしゃっていた監督はデジタルの編集にはそうとう御苦労された様子。
主演の佐々木ユメカさんとは『アナーキー・イン・じゃぱすけ』からずっとお仕事されてる長いおつきあい。出演依頼は監督からユメカさんにメールで、しかも携帯電話のメールにだったそう。普段携帯電話をあまり持ち歩いていない(「携帯」なのに・・・)ユメカさんは、その時に限ってなぜかちゃんと電話を携帯していたおかげで、監督からの出演依頼メールにすぐ返信を送ってオーケイしたという。とても運命的なエピソ−ドなんでしょうね!

そして、会場に来ていた出演者の石川さんと川津さんも登場し、撮影時のエピソードなどを語った。実はユメカさんが着ようと思って自分で用意した衣装を川津さんが着ることになったり、松田優作的な刑事をイメージして石川さんが朝から探し回って手にいれたパンタロンを、監督があっさり却下されたことなど、面白い裏ばなしがたくさん飛び出した。川津さんはイベント中もかかっていた挿入歌(「あいつの名前はセクサローイイド!!」などというおかしな歌詞の歌です)も担当し、役についてもみんながやりたくないような役をひきうけたのに、扱い悪くて損な役回りだー!と愚痴をこぼすのに皆さん大爆笑するシーンも。次回の「刑事まつり」には刑事役ででようかな?と監督は役者宣言(冗談ですよ)。ちなみに、他の監督さんの作品で一番人気だったのは井口昇監督の『アトピー刑事』。「みんなだめだって!瀬々監督のが一番だっていわきゃだめだって!!」などの軽口や冗談がトークショーのあいだ飛び交っている様子をみていても、アットホームな和気あいあいとした撮影現場であったことが想像されるようでした。

※「帰ってきた刑事まつり」はシネマ下北沢にて公開中!!

(綿野かおり)

「刑事まつり」公式頁