全盲でありながら、スイマーとして過去3回のパラリンピックに出場。計14個のメダルを獲得し、普通中学の教師として教鞭を取る河合淳一。夢を実現するために、彼が努力をし情熱をそそいできた姿を描いた映画『夢 追いかけて』が完成。3月22日(土)、銀座ガスホールで記者会見が行われた。

記者会見には河合淳一が出席。自らも青年期の「河合淳一」役として出演した映画や、2004年に行われるアテネパラリンピックへ挑戦する意気込みなどを語った。また、三浦友和、田中好子、勝池涼、北見敏之ら出演俳優と、花堂純次監督、そしてスポーツキャスターの栗山英樹が応援に駆けつけた。

日本でただ一人の全盲の熱血教師「河合淳一」の愛と勇気を描く映画『夢 追いかけて』は、銀座シネパトスで4月26日(土)よりロードショー公開される。

今回は、この記者会見の中から、河合淳一のコメントの一部を紹介する。

河合淳一
シドニーのパラリンピックを終えたあと『夢 追いかけて』という本が出版され、映画会社さんの方から映画化の話が出ました。「そのときはぜひ、河合淳一役として出演してほしい」ということで、その条件で映画化と出演を決めました。ただし、出演する以上は納得のいくものにしてほしかったので、準備時間をたくさん取りその上で映画が完成しました。

この映画は僕の人生を描いてはいますが、僕が出ているのは青年期の一部ですし、作品のメッセージは監督やスタッフが作り上げたものだと思います。まずは見てもらい、全盲の教師が日本にいることをみなさんに知ってもらえれば、それだけでも意味がある映画だと思います。映画が、自分の夢について考えるきっかけになればうれしいですね。

映画出演は始めての経験でたいへんで、戸惑うこともありました。でもすばらしい監督やスタッフに囲まれて、なごやかな雰囲気の中で自分らしさを出せたと思います。印象に残っているシーンは、映画の中で昔の自分の映像が流れるところですね。シドニーの映像を見たときは、いいレースだったなとあらためて思えました。演じていて難しかったのは…父親に殴られる「ドメスティックバイオレンス」のシーンで、演じる前はイヤでしたね(笑)。

自分の生徒も一緒に出演していて、子供たちにとっては「どのシーンで自分がどれくらい映っているのか」とかが気になるようです(笑)。一緒に映画に出て、中学時代のいい夏休みも思い出を作ってあげることができたと思います。

アテネのパラリンピック挑戦については、大学院の勉強が最優先なのでその中でできるかぎりの練習をして、みなさんの期待に応えられるようがんばりたいと思います。