『運動靴と赤い少女』、『太陽は、僕の瞳』などで高い評価を受けるマジッド・マジディ監督が、前2作に続き3度目のモントリオール映画祭グランプリと言う快挙を成し遂げた新作『少女の髪どめ』のGWからの日本公開が決定した。工事現場で働く17歳のイラン人の若者が、現場に新たに雇われた少年が実は少女であったという秘密を知った時から、彼女の守護天使として無償の愛を貫く姿を、深く静かに描いた感動作だ。
 本作の劇場公開を前に来日したマジッド・マジディ監督が、3月7日のマスコミ向け試写会に急遽来場し、これまでも自作を愛してくれた日本のファンに向けてメッセージを語った。
 「この作品を撮影したのは、3年前になります。3年前世界では、アフガニスタンでどんな困難があるかあまり知ることがありませんでしたが、今では多くの人たちに、アフガニスタンがどんな困難に直面しているのか、その位置がどこにあるかも知られるようになりました。それでも、アフガニスタンの情勢はあまり変わらず、餓えに苦しみ困難に耐えている人たちが沢山います。この映画に出ている人たちは、ほとんどがプロではなく初めて映画に出演したアフガニスタンのアマチュアの人たちです。皆さんが、この映画を気に入っていただけることを期待してます」(マジディ監督)。
 監督はその後、試写をマスコミ陣と一緒に鑑賞し、上映後は作品に感銘を受けた人たちとからの問いかけにも、フランクに受け答えをしていた。
 なお、『少女の髪どめ』は2003年5月シネマライズにてにてロードショー!
(宮田晴夫)

□作品紹介
少女の髪どめ