強く美しきヒロインと銃についての寓話。昨年公開され好評を博した米倉涼子主演の『Epi.1:復讐の荒野』、菊川怜主演の『Epi.2:裏切りの晩歌』に続く『GUN CRAZY』シリーズ最新作がついに完成した。2本のノンストップ・アクションを同時公開というスタンスは昨年と同様だが、今回はそれぞれの作品にWヒロインが登場、エリート女刑事と爆弾テロで首都転覆を進めるテロリストとの攻防を描く『GUN CRAZY Episode3:叛逆者の狂詩曲<ラプソディー>』では、仲根かすみ&大谷みつほコンビが、そしてアジアのジャングルに拉致された人質奪回作戦を描いた『GUN CRAZY Episode4:用心棒の鎮魂歌<レクイエム>』加藤夏希&原史奈がそれぞれ競演し、それぞれの魅力と個性が融合し、ヒロイン・アクションの新たな地平を見せてくれる。
 2月24日、本作の完成披露試写会が安田生命ホールで開催され、4人のヒロインが勢揃いして舞台挨拶を行った。

仲根かすみ(Epi.3:深瀬亜紀役)——亜紀は若手女キャリア刑事で、新米ですけどガン捌きが巧く、爆弾テロリストを裁いていく強い役です。
苦労したのは、やはりガンですね。拳銃を持って撃つことはすごく怖くて…。先生が一度やってくれてからやるんですが、一度火薬の音を聞いてしまったら贋物だと判っていても腰を抜かしてしまって…最初は一発撃つまでに5分くらいかかっってしまったんです(笑)。それとEpi.3はナイト・シーンが多く寒かったりで、連射シーン等を極めるのが難しかったですね。
激しく撃って、激しく走る、鋭く強い仲根かすみを是非見てください。野獣になってます。

大谷みつほ(Epi.3:秋吉麗華役)——麗華は自然や人、ものを愛する心が強く、その愛故にある時から、ガンを握らなくてはいけなくなった役です。強い役ですけど、ただ強いだけではなく、とても繊細な部分を持ち合わせた女の子であるところを、見ていただければと思います。
アクションも勿論難しかったのですが、植物とか自然を愛せる子なのに、何故、人にガンを向けられるのかという心の葛藤がわからなくて、家でガンを片手に植物育てをはじめたんですけど、何かおかしい…って。そのもやもやした気持ちを整理するのに時間がかかりました。ラブ・ストーリーはほとんどやったことがなかったんですが、相手役の本宮(泰風)さんがカッコよくてよかったなと思いました(笑)。

加藤夏希(Epi.4:宮本美紀役)——美紀ちゃんは外国のゲリラに誘拐されてしまった親友を助けるために、用心棒を雇い助けに行く役ですが、根が強いかと思いきや、ものすごく優柔不断で、ごく普通の女子大生を演じています。ストーリーの中で、ちょっと人間性が変わっていく面白い役だと思います。
シリーズ初の弱っちい女の子、泣き虫GUN CRAZYなんですよ。ごく普通の女の子が銃を持ったらどうなるかということなんですが、誰かがやられたら撃ち返すというのが、女の真の強さなのかななんて思いながら演じました。あと、香織とのやり取りの中で、女って表面ではすごく皮肉だったり、違う自分を作ったりすると思うんですけど、それを役者として演技の上に演技として重ねるのが難しくて、美紀の心の変化で気付いたことは兎に角台本に書き込んでいったら、台本のボロボロさが監督といい勝負になりました(笑)、でもそんな作業が美紀の心に通じていったんだと思います。

原史奈(Epi.4:河田香織役)——香織は元自衛隊員で今は風俗嬢というちょっとハードな役です。お金で雇われて用心棒として助けに行くんですけど、凄くお金に拘っていて、でもそれには色々訳があったりするんでそんなところも楽しんでください。
元自衛隊員ということで、体力がなければならないとか、銃の扱いに慣れてなければならない役だったので、毎日、毎日貸していただいた銃を握ったり、アクションのトレーニングに通ったり、家で筋トレをしたりしてたら、体力がついてきたら段々楽しくなってきて。だから、今でも筋トレとか続けているんですけど、やはりそれらが大変だったかな。フィリピンの熱さもかなり大変でしたけど、やはり体力的なことが大変でした。

 監督の印象や、フィリピン・ロケのエピソードなど、ガールズ・トークも飛び出す舞台挨拶の4人の姿は、劇中とは裏腹に銃とは全く縁の無さそうな若い女の子そのもの。それでも、記念撮影でひとたび銃を構えるとこの通り、バッチリ気迫が漲った。
 なお、『GUN CRAZY Episode3:叛逆者の狂詩曲<ラプソディー>』、『GUN CRAZY Episode4:用心棒の鎮魂歌<レクイエム>』は2003年5月10日より新宿ジョイシネマ3、銀座シネパトス ほかにて全国ロードショー!
(宮田晴夫)

□作品紹介
GUN CRAZY Episode3:叛逆者の狂詩曲<ラプソディー>
GUN CRAZY Episode4:用心棒の鎮魂歌<レクイエム>