天才的な腕前を持ちながら、街で”2番目”のシェフと呼ばれてしまう、女性シェフのマーサ。人付き合いや恋愛に不器用だった彼女が、他人との心の交流を通して、自分の手で幸せを手に入れるまでを描いた、『マーサの幸せレシピ』。

 見終わった後には、大切な誰かと食事を共に語らいたくなるような、そんな心暖まるダイニング・ムービーの本作の大ヒットを記念して、21日、最終回の上映前に、新宿テアトルタイムズスクエアにて、特別トークイベントが開催された。ゲストは料理家としてはもちろん、イラストレーターとしても引っ張りだこのケンタロウ。
「簡単でおいしく、洒落っ気があって現実的なもの」が、料理のモットーと語る彼ならではの視点が光る、耳にも”美味しい”トークイベントとなった。

 Q.今回の『マーサの幸せレシピ』は、女性向きかなと思うんですが、映画をご覧になっての率直なご感想はいかがですか?
 ケンタロウさん−−「本当に美味しいものが食べたくなる映画ですね。オープニングで、ラビオリを抜く場面があるんですけど、最高に素敵ですね。観てて、ラビオリを抜きたいっ!って思いますね。きっと10人中4人は思うんじゃないかなぁ(笑)」

 Q.主人公のマーサは、料理家としてはいかがでしたか?
 ケンタロウさん−−「とても生真面目で偏った部分を持っていますけど、料理を作るのが本当に好きそうで良い方ですね。」

 Q.料理人の方は、結構偏った部分を持ってらっしゃるものなんですか?
 ケンタロウさん−−「割と変人ぞろいだと思いますね。僕はその中でも唯一マトモな方なんですが(笑)シェフは本当に変わった人が多いですね。でもマーサもそうですけど、こだわりを持って自分のカラーを出している人の料理はやっぱり食べたくなりますね。」

 Q.映画の中で、ドイツ人シェフのマーサと、イタリア人シェフのマリオが価値観の違いからぶつかりますが、国ごとの特徴というのはあるものですか?
 ケンタロウさん−−「ラテンの人は、料理を楽しもうという姿勢が前面に出てると思いますね。ドイツ人シェフはやっぱり生真面目で、メモを欠かさず書いていましたね。季節ごとに塩の量をどの位変えたかとか。味見すればいいのに、って思っちゃいましたけど(笑)」

 Q.料理と人間関係の結びつきについてはどう思われますか?
 ケンタロウさん−−「やっぱり料理は、(人と人との間に)関係ができるのが早いですね。まずは、食べ物から会話が始まると思うので、同じように”おいしい”と思える(間柄になれる)というのは大事だし、一緒に食事したくなる存在、というのはきっと大事な存在なんじゃないかな、と思いますね。皆さんもきっとこの映画を見た後には、大事な人と食事に行きたくなるんじゃないかな、と思います。」

 実は、このトークイベント当日の朝に映画を鑑賞したというケンタロウ。当初、ディナーにはミートソースのパスタを作る予定だったのだが、映画を観て、イタリアンなパスタが食べたくなってしまったという。しかも自分で作るよりも、素敵なレストランで食べたくなってしまった、とのこと。料理家、ケンタロウの心までをも虜にしてしまう位、目にも美味しく素敵な料理、そしてマーサと一緒になって、幸せな気持ちまでも味わうことができてしまうこの映画、美味しい料理を食べに行きたくなること、請け合いです!!

 『マーサの幸せレシピ』は、新宿テアトルタイムズスクエア、テアトル梅田にて、絶賛上映中!
全国各地でも順次公開予定。
(原 由夏)

□公式頁
『マーサの幸せレシピ』
作品紹介