近未来の世界を舞台に、何故か異星に強制送還されることになった地球人の青年と、移送担当官が、珍妙な惑星で遭遇する謎と脱力感に満ちた事件の数々。でも、その力の抜け具合こそが人生なのかな…なんてハッピーな気分になってくる瀬々敬久監督のSFロードムービー『SFホイップクリーム』が、撮影から約2年を経て12月14日渋谷ユーロスペースにて待望の初日を迎えた。多くのファンで大盛況だった初日の劇場には、瀬々監督をはじめ主要キャストが勢揃い。久々の再会だが、18日に30歳になる武田真治のの誕生日を祝ったりと、実にアットホームな雰囲気でゲスト陣の表情も明るい。

瀬々敬久監督——お正月はSF映画ですから、なんとお正月映画です。僕はピンク映画を撮ってましたので、ある人から「そりゃSMホイップクリームの間違いだろ?」って言われましたが(笑)、とりあえず打倒『マイノリティ・リポート』の勢いでやってますんで、是非次はイヴに、三が日にと見に来てください。
撮影は2年前にフィリピンで行いましたが、ケータリングを担当したチャーミングなオカマちゃんのお陰で生き延びることができました。飯すごく上手いんですよ。違う国の人との撮影ということで、最初はギクシャクした部分もありましたが、後半はいい感じで撮影することができました。僕にとっても、いい思い出だったと思うし、この映画のテーマでもあります。でも、今いったようなことは全て忘れて、楽しんでください。ありがとうございます。

武田真治(KEN役)——撮影してから2年を経て、やっと公開ということで、お待たせしました。どういう作品に仕上がっているかというと、未だ僕も見ておりません。ですが、きっと楽しい作品に仕上がっていると思います。
この作品は人生をプロレスの持ちつ持たれつみたいなことに例えているんだと思いますけど、最近僕、ボブ・サップに投げ跳ばされまして、本当に痛くてちょっとムッとしましたが、業界で生きるってこんなことかなと(笑)、2年経った今判る気がします。そういう意味では、2年後の僕を予知してくださった瀬々監督、そして作品がSFなんだと思います。

松重豊(HIDE役)——SF…サイエンス・フィクションという意味ですが、サイエンスって感じじゃ正直無いと思います(笑)。ナンセンスって感じの方が多いと思いますが、すごくやってて楽しかったですし面白く仕上がっていると思ってはいますが、皆さんどうお感じいただけるか、ドキドキしています。
見終わったかたは驚くかもしれませんけど、この作品は2週間ちょっとくらいで出来上がった作品なんですけど、部屋の片隅に一つおいておきたいインテリアのような作品になればって感じですかね。心の片隅に、ずっとひっかかっているようなくすぐられ方が残るような作品に仕上がっていると思いますので、そのへんをリラックスして、楽しんでいただければと思います。

池端絵美子(KAZU役)——私にとって初めての映画だったので、すごく思いで深い作品となりました。衣装としても、恥ずかしいというか(笑)、思い出深い作品です。
初めての映画で、初めての海外ロケは、2週間というタイトなスケジュールだったんですが、現地の方たちも言い方ばかりで楽しく演らせていただきました。作品は、単純に何も考えずに、この独特な未来のような過去のような世界に浸っていただき、この年末年に始楽しんでいただけたらけたら嬉しいです。

片山佳(RAY役)——これは2年前に撮った作品ですけど、映画は初めてということで、その場にいるだけでいっぱいいっぱいだったんですけど、監督やスタッフ、共演者の先輩の方々に支えられ、頑張ることが出来ました。
初めてが海外で、現地の方もいらっしゃるという環境も初めてで、全てが刺激的で色々なことを学び取って帰れたかなと思っています。私のこの映画のイメージは、オモチャ箱みたいに楽しくて、面白くて、温かくて、でもちょっと不思議な部分を持っているような映画だと思っているんで、楽しんで見てください。

なお、『SFホイップクリーム』は、ユーロスペースにてお正月ロードショー公開中!全国各地でも、今後順次公開予定。
(宮田晴夫)

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