第3回東京フィルメックスのオープニング作品はアレクサンドル・ソクーロフの『エルミタージュ幻想』。プロデューサーのアンドレイ・デリャビンがティーチ・インし、この驚くべきワンカット・ムービーの製作秘話を語った。
今回の大掛かりな撮影ついて、「まずフィルムの長さ等の技術面、次に客のいるエルミタージュ美術館でカメラが回せるのか?という撮影面。3つ目にそういった映画が観客に面白いものとして受け入れられるのか?という問題があった。」だが、「技術面で日本のNHK等の協力を得、全編ハードディスクによる撮影を決行。またクリスマス前で街に人が少なく、美術館の休館日でもある12月23日を撮影日に選ぶなどして問題を克服していった。」監督ソクーロフについては「スタッフは彼を全面的に信頼し、製作に参加していた。」
こうして芸術と技術が融合する意欲作が出来上がった。

2003年2月 ユーロスペースにて公開予定。
(Yuko Ozawa)

□作品紹介
エルミタージュ幻想