4月の大分先行公開、そして9月には東京及び全国各地で公開され、幅広い層から支持された『なごり雪』。11月23日から、都内では日比谷シャンテ・シネでアンコールロードショーが始まるなど、作品の輪はさらに広がりを見せている。
 11月25日、作品を支持しアンコールロードショーに導いてくれた観客への感謝の意を込めて、シャンテ・シネに大林宣彦監督、過去の祐作役を演じた細山田隆人、ヒロインが敵わない年上の女性・とし子を演じた宝生舞が来場し、舞台挨拶を行った。
 細山田は既に初公開以来、こうして舞台に立つのは4度目くらい。それでも、東京での初公開を終えてから、こんなにすぐに舞台に立つことは予期していなかったようで、これまで以上に上がり気味だとか。めげそうになりながらも、正しい発音の日本語の特訓を積んでいったことなど、作品の思い出がとめどなく溢れていく。そんな細山田に、「以前はほとんどしゃべられなかったのに、成長したね」とさらに目を細める大林監督。
 一方、宝生は『なごり雪』の舞台挨拶はこの日が初めて。豹柄のセーターにパンツ姿というラフな姿が、自然体なキャラクターにマッチしている。撮影中は自分の出番の時のみならず、撮影期間を通して臼杵に滞在し、綺麗な空気と水を満喫し、出演場面の無い日は、地元の老人と話をしたり、絵を書いたりして過ごしたとか。そんな時に、彼女が描いた「泣く前」と題された1枚の絵は、大林監督と伊勢正三氏の手により歌になった。「泣くのは好き、いつも泣いてます(笑)」という宝生は、映画『なごり雪』について、「とても温かくて、涙が似合う作品です。涙は泣くためだけの手段ではないですから」と。また、大林監督も作品の背景等を語るとともに、「日常から離れた映画館のスクリーンで、遠慮無く涙を流してください」と挨拶をしめた。

なお、『なごり雪』はシャンテ・シネにてアンコールロードショー公開中!

(宮田晴夫)

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