朝鮮戦争以降の鉄鋼特需の中、大阪に誕生した在日朝鮮アウトロー集団“アパッチ”の熱き生き様を描いた『夜を賭けて』の、今月末よりのロードショー公開を記念してのイベント試写会が、11月19日渋谷シネ・アミューズにて開催された。当日は、本編中でも最も熱く“魂”を震わす男・義男を演じた山本太郎が劇場に駆けつけ、女性を中心とした多くのファンの前で舞台挨拶が行われた。
 最近でも『バトル・ロワイヤル』『光の雨』ほか多くの話題作で、存在感を強くアピールしてきた山本だが、16歳でデビュー以来長くキャリアを積んできたが、意外なことに主演作品は本作が初めて。だからと言って、不安などは微塵もなかったと不敵な笑顔で答える。「プレッシャーと言うのは、自分自身を燃え上がらせる材料なんだ。面白いものにしてやるぜ!ってね。芸能界デビューの時も、水着姿だったけど泳げなかったしな(笑)」。また山本は、今回キャストを全てオーディションによって決めたという本作に限らず、デビュー時からのオーディション好きだそうだ。「オーディションは、事務所の力とか政治力の及ばないところが魅力だね。そこで印象をつければ、風向きが変わってくる」と、これまた熱血ぶりが伝わってくる。
 またこの日は、山本の姿に日本一“魂”が震えてしまったという、スペシャル・ゲストが応援に駆けつけた。現在DVD、グラビアなどで大活躍のグラビア・アイドル松金洋子が、白地にライトブルーのアパッチの文字が鮮烈なタンク・トップ姿で登場だ!「目のやり場に困るね」と劇中タンクトップで頑張った山本もタジタジ。因みに、このタンクトップは上映期間中に劇場で販売されるそうなので、“魂”を震えさせられたい人がいる貴女は是非1枚どうぞ(笑)。「現代人よりも頑張っていて、男気を感じるし、なおかつかわいいんですよ。ホント、こんな人がいればいいなぁ」と、映画とその中で描かれた男達の姿への熱い想いを語った松金は、山本とそれぞれ額に入れた決め?ポーズ写真を相手に渡すと互いにエールを交換だ。
 そして山本が、「兎に角見ていて、続々とエネルギーが溢れてくる作品なんで、見ていて疲れてしまう人もいるかもしれないけど、当時人間以下の扱いを受けた在日の人たちの、一瞬一瞬を生きる姿から元気がもらえる。不況等で元気の無い日本に必要な、カンフル剤のような映画」と観客へのメッセージで挨拶を締めた。

 なお、『夜を賭けて』は、2002年11月30日(土)より渋谷シネ・アミューズ&新宿武蔵野館にて熱血ロードショー!!
(宮田晴夫)

□作品紹介
夜を賭けて

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『夜を賭けて』ユー・ヒョンギョン インタビュー