韓国映画の今を伝える「コリアン・シネマ・ウィーク2002」(10月27〜11月1日・銀座などにて開催)上映されているチェ・ホ監督の「フー・アー・ユー」は、オンライン・ゲームを題材に、新世代の若者たちの恋と夢を描いた映画だ。オンラインゲームのベータテストに参加した男女の恋を中心に描いている。韓国では、日本よりも一足早くブロードバンドの道を歩みだしたということもあり、こういう題材の映画というのもいかにも韓国らしい。
 今回の上映にあたっては、チェ・ホ監督が来日。10月28日の上映後、ティーチインを行った。
 話題は、まずネットを扱ったことについて。こういう企画で撮るからには、監督もかなりインターネットに親しんでいるはず。聞けば「チャットは昔楽しんだ。ゲームは中毒になっている」とかなりハマっていることを白状したが、「この映画では、インターネットとゲームというものはパッケージに過ぎず、若い世代の生き方を表現したいと思った」と本作のポイントを示唆。
 本国ではCMで人気というイ・ナヨンをヒロインに起用したことについては
「CMで人気ということは、若い世代を代表することになる。彼女は活躍のフィールドを、CMから映画に移しつつある段階で、このシナリオに興味を示した」と語り、
『春香伝』のチョ・スンウを主演男優に起用したことに関しては、
「この役の条件は、若くて演技力のあること。それで彼を起用した。俳優たちは、個々人のキャラを壊して役に入らなければならず大変だったと思うが、よくやってくれた」とねぎらった。
 ステージ上には、プロデューサーの女性も上がり、
「撮影は、ソウルの冬のいちばん寒い時期だった。ラストシーンには8日間もかけた。それだけかかったという苦しみが、青春の苦しみのような形で演技に反映されていると思う」と語った。(みくに杏子)