先日アフレコの模様をお伝えしたケータイシネマ「アカツキ」が、いよいよ公開!
その時にお会い出来なかった出演者の方々に、今回は特別に取材をさせていただきました。若い力、個性的な魅力の俳優陣の声をお伝えいたします。

★市瀬秀和さん(麻見坂集役)
「ウルトラマンコスモス」のフブキ隊員役で一躍注目株となった市瀬さん。好きな俳優に「市川雷蔵」の名前がまず上がる程に時代劇が好きな意外な一面もあるのです。先輩の永澤俊矢さんも感心する殺陣の出来栄えを「アカツキ」の中でも披露してくれています。

–撮影の現場が如何でしたか。

夜中の3時までかかりました。本当に”集中”で。

–伊東さんと兄弟の役でしたね。

伊東さんと並んで「どっちが兄貴だ」と言われたら、皆「伊東さんだ」と言うと思うんですが、私が兄です(笑)。

–今回はケータイシネマという新しい形でしたが、演じる時にそれを意識をしたでしょうか。

それは考えなかったですね。普通の映画と同じ感覚で演じていました。舞台やTVとか基本的には演技は変えないんですが「ウルトラマンコスモス」の現場に入って、映像技術は凄く学びました。

–俳優になられたきっかけは。

市川雷蔵さんに憧れて、役者になろうと思ったんです。ビデオ屋さんで借りて最初に観たのが「大菩薩峠」でした。それから「役者になりたい」と思ったんです。今回の「アカツキ」でも殺陣をやらせていただいて。

–舞台と映像の仕事の違いについては如何ですか。

どちらも魅力がありますが、最初は舞台が多かったので、あのすぐ反応が返って来る、あと拍手・・麻薬だなと思いました。映像もまた映像で楽しいです。アートスフィアで1月に舞台をやる予定です。

–これからやりたい役はありますか。

自分の中にない役をやりたいですね。フブキ隊員も僕の中になかった役でしたね。今は、引き篭もりとかやってみたいですね。どういう気持ちなんだろうかと。

–最後に、これからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

単純に観て面白い作品だと思うんですよね。意外な所が一杯出てくるので「アカツキ」で僕を知って下さる方がいらしたら、ウルトラマンコスモスや色々やってきた物も観て欲しいし、これから長い目で見守っていただけるとありがたいです。

★伊東丈典さん(麻見坂丈役・アクション監督)
アクション監督も兼ねていた伊東さん。知る人ぞ知る”日本のダースベイダー”なのです。あの記者会見等で登場したベイダー卿に扮していたのが、この伊東さんなのです。ルーカスフィルムもお墨付きの演技を引っさげて、今回も長身から醸し出す独特な雰囲気を、画面狭しと目一杯に発散して活躍しています。

–元々アクションをやられていて、動きが凄く綺麗だったので今回お願いしたと監督からお聞きしました。

帝京大学に「アクションクラブ」というサークルがあるんです。小さい時から役者に憧れがあって大学でそういうのをやりたいなと入ったんです。それで4年間、素人なりに。
卒業後、先輩に入っていた小劇団に入って、役者として活動を始めました。

–アクションに興味を持ったきっかけは何でしたか。

「仮面ライダー」が好きで、再放送で一通り観ました。今は香港アクションが好きですね。ジョン・ウーの「フェイス/オフ」が好きなんです。ニコラス・ケイジの目の色が変わるような、そういうのが出せたらいいなと思っているんです。

–ダースベイダーをされた後、スーツを着るお仕事はされたのですか。

ビデオの「ウルトラセブン」で怪獣をやりました。ウルトラセブン最終章6部作の「空飛ぶ大鉄塊」の回でロボットに入りました。背が大きいのが欲しいと呼ばれて。

–今回の「アカツキ」では、レアなアイテムを狙うという役柄ですね。

レアゲッター(笑)。蛇のような笑いをしてくれと言われました。イヤらしく薄気味悪く。
–アクション監督も兼任されていましたね。現場は大変でしたか。

暑かった(笑)。殺陣としてはそんなに多くはなかったので、皆さん動ける方だったので、説明して自分で動けるようなら、特にこちらからは言わないようにしました。

–伊東さんの一押しのアクションの見所はどこでしょうか。

CDを取り合う会うシーンです。剣を振る所で、CDを持っているならそれを生かそうと考えました。普通のアクションと違うので、それを観て欲しいと思います。あと、私のイヤらしい笑いも(笑)。

★林洋平さん(ジョン・ドウ役)
舞台の多い林洋平さんですが、CSのトラベラーズTV「フジヤマツアーズ」で猿岩石よりも過酷な旅を続けていた姿を見た人もいるはず。「アカツキ」の中とはまったく異なる、関西人らしい明るく楽しい語りにも、舞台で鍛えた活舌の良さが感じられました。

–ジョン・ドゥという役について教えて下さい。

永澤俊矢さん演ずるコレクターにコレクトされている、人間なんですが人形に近い役で、自分の意志が余り無いいうような。永澤さんが言わないと動けないし、セリフもまったくなかったし。

–監督からは、役についてどういう説明があったのでしょうか。

ほとんど無かったですね(笑)。台本もそんなに長くなかったし、そこから膨らませていくしかなかったので。

–撮影現場はいかがでしたか。

僕はシーン的に最後の方だったので、1日付き合っていたわけではないのですが、楽しかったです、凄く。面識のない方ばかりでしたが。

–劇団ひまわりのご出身だそうですが、早くから俳優を目指していたのですか。

きっかけは、良くある文化祭で演劇をして楽しかったので、友達と「卒業したらどこか受けようか」という話になって、ミーハー気分半分、真剣半分で見つけたのがひまわりだったんです。今は劇団ではなく、フリーです。

–舞台の仕事が多いのですね。

やりたい方向が舞台だったので。もちろん、映像の方も好きなんです。舞台では来ているお客さんにしか伝わらないけれど、TVは流れている場所のすべての人に伝わるのだなと、TVの力って凄いなと感じました。

–そのTV番組「フジヤマツアーズ」では、世界中を旅しましたね。

色々な所に行かせていただきました。言葉は通じないですけれど、何か共通する所があって、人間で一緒なんだなと感じました。本当に良い人ばかりに出会って、出会う勇気も大切だなと。人間として俳優として、いただいた物が一杯あった体験でした。

–俳優としても実り多い仕事だったのですね。

これからの大きい目標としては、世界で通用する役者になりたいですね。世界的な映画に出て、世界で出会った人達にそれを見てもらって「これ、俺の友達なんだよ」とか「一緒にメシ食ったんだよ」とか言ってもらいたいですね。

–ではご覧になる方々にメッセージをお願いします。

全部観て下さい。15秒という限られている中で12回を全部見て、どう感じるか、それを聞きたいなと。それとこれからどうなって欲しいのか、聞きたいですね。

★永澤俊矢さん(コレクター役)
勅使河原宏監督に見出され「豪姫」(’92)に出演以来、映画を中心に活躍中の永澤さん。端正な風貌と渋い声に、密かに熱狂的なファンも多いとか。「モデル出身なので」と自分の演技への評価は控え目ですが、その圧倒的な存在感を画面を見た人なら感じずにはいられないでしょう。「アカツキ」でも短い出演時間ながら印象の残る永澤さんです。

–今回はコレクターという役ですが。

始めは「ボクシングのトレーナー役で」とマネージャーから聞いていまして、そうしたらコレクターという役に変わっていまして。面白かったですよ。監督と色々話して、全然しゃべらないような方がいいんじゃないかとか。

–梶研吾監督との仕事は初めてだそうですね。

梶さんとは下北沢のバーで知り合って、それからもう10年以上経っていますね。お互い同じように歳を取っていますので、いつ会っても前と変わらない気がしてます。梶さんが映像をやる時は、ぜひ呼んでもらいたいなと思っていたものですから。

–監督としての梶さんは、永澤さんから見ていかがでしたか。

映像に関して熱心な方なので、自分で撮る時にはどう撮るんだろう、どういう視点で見てるんだろうという、他の役者さんとは目線が少し違ってしまったかもしれない。仲間として客観的に見てしまった部分もあるかな。自分がこう撮りたいという部分は曲げないので、やはり撮る側の人だなと。自分の視点を映像に残したいんだというこだわりは凄く感じましたね。

–コレクターという役については、監督から何か言われた事はありましたか。

「俺はトシさんの存在が欲しかったから、そこにいて下さい」と。それと「物に対する執着というのだけは見せて欲しい」という事でしたね。

–共演者の皆さんについては、いかがでしたか。

僕は自分の出たシーンしか知らないんですが、その時「役者がのってるんだな」と感じたんですよ。キツイけど楽しかったんじゃないかな。全部撮り終わったのに、あせって帰りたがっている人がいませんでしたね。

–最後にこれからケータイシネマをご覧になる方に、一言よろしくお願い致します。

誰でも映像が観られ、逆に撮りたい奴が誰でも撮れるかもしれない。今まで映像をやろうとすると個人では動けないものでしたが、若い人達がこういう形ならと入っていけるかもしれない。新しい映像の形だなと。

(鈴木奈美子)

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