早くも開幕まで3週間を切った第15回東京国際映画祭。その最終プレス会見が、9月30日に開催され、その詳細がいよいよ明らかにされた。

 今年新たに設立された第一回東京国際CG映像祭(TIGRAF)は、有楽町読売ホールにて10月28日から30日の3日間開催され、その名のとおり映画のみに限定することなく、ゲーム等様々なエンターテイメント分野を含めたCG映像を紹介していく。28日はハリウッドCG作品の精華である、『モンスターズ・インク』、『シュレック』、『アイス・エイジ』をクリエイターをゲストに迎えてのティーチ・イン付で上映する(各回入替)ハリウッド特集。29日も同じくハリウッド特集だが、こちらではハリウッドのCGI製作スタジオのプレゼンテーションとシンポジウムが開催される。そして、最終日の30日はゲーム特集として、ナムコ、セガ、カプコンのプレゼンテーションとシンポジウムを開催する。因みに、CG映像祭は今後継続開催を予定しており、2003年開催予定の第2回TIGRAFではジョン・ラセターの最新作『ファインディング・ニモ』のワールド・プレミアを打診中とのことだ。

 ニッポン・シネマ・フォーラム(NCF)では、前回発表された小松沢陽一によるトーク・ショーのトーク・ゲストが決定した。そのコンセプトは、世界へ挑戦した映画人の人生を聞くことにより映画への「愛情」と「情熱」を未来へ語り継ぐというもの。

小松沢陽一トーク・ショー「映画への情熱!世界への挑戦」
2002年10月29日 Bunkamura Le Cinema(入場無料、定員入替予約制)
<予約・問合せ yang@tiff-jp.net>
VOL.1 13:00〜15:00 岡崎宏三
148本全てが代表作です!
VOL.2 16:00〜18:00 工藤夕貴
アジア人配役はハリウッド全体で作られる映画全体の5%!
VOL.3 19:00〜21:00 ケリー・ヒロユキ・タガワ
アメリカに生き残った“サムライ魂”!

またトーキョー・フィルム・メーカーズ・コンベンションの上映作品15本、アジア圏映画の新作12本+ショー・ブラザス特集上映5本からなるアジアの風部門の作品も出揃った。その詳細は、下記リンクの東京国際映画祭公式頁を参照していただきたい。

そして、注目のコンペティション部門。ギリギリまで待って優れた作品を選びたいとのことで前回未決定だった邦画3作品も発表され、各作品の監督・プロデューサーが挨拶を行った。

コンペティション参加邦画3作品
新 仁義なき戦い− 謀殺 Another Battle-conspiracy
2002年/日本語/監督:橋本一
橋本一監督——柄が悪いタイトルなんで、すごくこの場に居心地が悪いのですが(笑)、ジャンルとしてはヤクザ映画です。現在仕上げの最中ですが、ヤクザ映画を知っている方、知らない方どちらにも楽しんでいただける娯楽作品であり、胸を張っていい映画であると言える作品にしお届けしたいと思います。

卒業 The Graduation
2002年/113min/日本語/監督:長澤雅彦
長澤雅彦監督——映画祭コンペ部門での上映が、一般の皆さんに見ていただく最初の機会になります。大変光栄ですし、緊張しています。ただ、こういう映画祭が素晴らしいところは、ティーチ・インの形で直接お客さんとお話が出来ることですので、コンペというシビアな場ではありますけど、お客さんとお話をすることを期待しています。

ホテル・ハイビスカス Hotel Hibiscus
2002年/90min/日本語/監督:中江裕司
佐藤美由紀プロデューサー——この映画は沖縄在住の中江裕司監督が『ナビィの恋』に続き撮った待望の新作で、7・8月に名護市で撮影し現在仕上げの真っ最中です。この作品は沖縄にある家族経営の小さなホテルを舞台にし、小学校3年生の末娘の成長の物語ですが、都会では失われつつある子供本来の姿ですとか、家族の原型を沖縄の出演者・風土・音楽で生き生きと描いております。笑いと感動のコメディです。ご期待ください。

 作家性と市場性の融合を図り、人が集まる場としての性格を色濃く押し出す第15回東京国際映画祭。オープニング作品の『マイノリティ・リポート』のスティーブン・スピルバーグ監督とトム・クルーズをはじめゲストも続々と来日予定。チケットぴあによる一般前売券発売もいよいよ本日よりスタートする(オープニング・クロージングのみ6日より発売、初日は電話予約のみ)。
(宮田晴夫)

□公式頁
第15回東京国際映画祭
第15回東京国際映画祭iモードサイトhttp://www.tiff-jp.net/i/
WEEKLYぴあ@チケットhttp://www.t.pia.co.jp/

□スーパーレポート
第4回プレス会見レポート