下北沢の短編専門映画館トリウッドでの公開時に同劇場を閉館の危機から救ったのを手始めに、VOL.1のDVD発売時にはタワー・レコードにてハリウッド大作を抑えて堂々売上枚数首位を記録、発売記念イベントでの熱さを以前本誌でも取り上げた『演じ屋』。ブロードバンド配信も始まるなど、その面白さに注目する観客が倍増中の本作の、待望のDVDソフト第2弾が、9月にタワー・レコード渋谷店・新宿店・梅田店限定で先行リリースされた(パノラマ・コミュニエーションのウェッブでも近々通販開始予定)。14日に大阪・梅田店で好評のうちに開催されたイベントに続き、29日タワーレコード渋谷店のSTAGE ONEでDVDソフト購入者を対象にした発売記念イベントが開催され、5月に開催されたイベントの熱気に勝るとも劣らない、ファンの熱気に包まれた。
 この日のメイン・ゲストは、野口照夫監督と、話数を重ねるごとにカッコ良さが増して来た基樹こと今井孝祐さん。そして、今年も10月末から渋谷パンテオンで開催される東京国際ファンタスティック映画祭のディレクターである大場渉太氏。野口監督がVOL.1のイベント時に、「『演じ屋』をパンテオンで!」とラブ・コールをしていたことを覚えている方も少なくは無いだろう。実際『演じ屋』は、ファンタの候補作品として大場氏鑑賞し、インディーズ作品としての先入観をいい意味で裏切られる出来に驚かされ、発見の映画祭東京ファンタ的にも共通する空気を感じたそうだ。諸般の事情で、今年のファンタでの上映こそ叶わなかったものの、来年の東急文化会館閉館イベントとしての、特別ファンタなどで、上映できればなどという構想も飛び出したりと、『演じ屋』のパンテオン上映の可能性はより高くなったかも?
 また、この日は野口監督、今井さんに加え、個性的な『演じ屋』ワールドの面々がステージに集結し、“生・演じ屋”を舞台で開催。目前で繰り広げられるライヴ版『演じ屋』に、会場のファンたちは大喜び。メインの今井さんのみならず、脇を固める一人一人にも、熱烈なファンからのエールが贈られているあたり、個性を活かした脚本と充実の出演陣に魅せられたファンたちが、共に形成していく世界への感動がひしひしと伝わって来る。それぞれの出演者による挨拶に続き、「さっきパンテオンの話とかも出たし、テレビの取材も入っていたりと、『演じ屋』はこれから盛り上がっていくなと言う予感をひしひしと感じております。特に9話は、絶対に大きいところでお祭りのつもりでやりたいと思ってます」と、今回も感謝&抱負を語った野口監督。因みに、最終9話では、ファンと製作者側が一体となって作ってきた作品ということで、希望者の名前を全部エンド・ロールに載せることも企画中とのことなので、ファンの方は公式ホーム・ページでの募集に注目。また、今井さんも「イベントや映画は皆さんがいなかったら成立しないものですから、皆さんには感謝してますし、皆さんにはもっといい8・9幕をと思います」と、共に作る作品への展望を語りイベントは幕となった。

 なお、イベント終了後に野口監督、今井さんにお話をうかがったところでは、これか製作に入る第9幕は、シリーズのファイナルとのことで様々な仕掛けをした上で、怒涛の結末を迎えるべく脚本を練りに練っている最中とのことで、スケジュール的には当初の予定通り年内完結の予定とのこと。自分達の好きな様々な要素をぶち込み、新たなエンターテイメントとして再構成していく現場では、井上さんはじめキャストの皆さんもアイデアを出し合い、時にはスタッフ作業も兼任し作品の完成を目指すと言う、まさに撮影自体が一つの運命共同体といった連帯感がうかがえた。

 DVD『演じ屋 Ⅱ』はタワーレコード渋谷店・新宿店・梅田店にて好評発売中。または下北沢「トリウッド」では、10月13日よりセミファイナルとなる最新作『第八幕』のロードショーがスタート!19日以降の土・日には、シリーズ全8作の一挙上映もあり。
(宮田晴夫)

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