「週間少年ジャンプ」誌上で爆発的な人気を博し連載されその後アニメ化された、『ウィングマン』(83)、『電影少女』(89)、『D・N・A2』(93)等の原作者、桂正和氏が97年から00年にかけて連載し、単行本が累計1000万部を突破するロングセラー作品、『I゛s アイズ』が 『フロム I゛s アイズ』としてOVA化が決定し、12月9日より待望のリリースとなる。
 本作の製作発表会が、9月12日セルリアンタワー東急ホテルにて開催され、製作母体である株式会社 エイチ・エム・ピィ 代表取締役社長 芳賀吉孝氏、株式会社 デジキューブ 代表取締役社長 染野正道氏、アニメーション制作を担当する株式会社 ぴえろ 代表取締役社長 布川ゆうじ氏、株式会社 集英社 週間ヤングジャンプ編集長 古田秀樹氏、原作者の桂正和氏らが登壇し、作品の概要が発表された。
 これまでの少年誌のフィールドから、青年誌「ヤング・ジャンプ」での週間連載が始まる原作者の桂氏は、「『I゛s アイズ』という作品は終わって数年たつのですが、こういった形になるのは全く予想していなかったので、この場にこうしていることも含めてとても光栄に思い、作品の完成をお客さんとして楽しみにしていますので、宜しくお願いします」とコメント。
 アイドル路線を拒否して女優として歩み始めた葦月伊織。造形家を目指し、再び渡米した幼馴染の秋葉いつき。その二人の間で揺れる思いを抱いたまま眩しい陽射しの照りつける夏に、自らのふがいなさを戒めるため、あてもなく独り自転車でツーリングに出た瀬戸一貴。自分の足を地に着け、それぞれの目標に向かう伊織、いつき、一貴。そんな三人のひと夏に起こったもう一つの『I゛s アイズ』が、今回のOVA『フロム I゛s アイズ』だ。
 桂氏の原作を景山楙倫が脚本化し、キャラクターデザインにりんしん、監督は杜野幼青という布陣で、本編は約30分の作品となる予定。また、従来のOVAの枠組みを超える試みとして、本作は株式会社デジキューブ提携のコンビニエンスストア(セブン−イレブン・ジャパン、ファミリーマート、サークルケイ、サンクスアンドアソシエイツ、スリーエフ、サニーマート四国スーパー本部)全国約22,000店舗にて12月9日よりの独占販売となり、11月6日より各店舗にて予約受付を開始する。また、とかく高額な印象が強かったOVAだが、本作は質の高いOVAソフトのより広い層が手軽に手を出せるようにと、ソフト予価も税抜\2,500というひじょうにリーズナブルなものとなっている。
 また、DVDの高品質に加えて高機能性を活かした新たな試みもなされる。今回の作品では、アニメファン層向けの通常のアフレコと共に、マルチ音声機能を活用することにより、現在活躍中のアイドル、仲根かすみさん、吉岡美穂さん、磯山さやかさんが主要キャストに初挑戦した音声を副音声で楽しむことが可能となり、これにより従来のアニメファン、各アイドルのファンそれぞれが満足できるソフト化が実現しそうだ。因みに副音声キャストは、仲根=葦月伊織、吉岡=瀬戸一貴、磯山=秋葉いつきというキャスティングになっている。声優初挑戦に関し、「(原作は)全巻読まさせていただきましたが、最初から最後まで惹き付けられる作品で、物語りも楽しかったし絵も素敵だなと思いました。以前から声優という仕事にすごく興味があったので、今回お話をいただきすごく嬉しかったです。伊織ちゃんはすごくピュアで、優しく、正確がとてもいい女の子の役なので、そのピュアな心を表現できるよう心掛けて頑張りたいと思います」(仲根)、「はじめにお話をいただいた時は、声優さんも初めてで、男性役も初めてですごく戸惑ったのですけど、高校時代を思い出して元気いっぱいできたらなと思います。一貴君は男性なので、もっと男性の気持ちを判らなくてはと思うので、周りの人に沢山意見を聞いて挑みたいと思います」(吉岡)、「いつきちゃんは、明るいのは勿論好きな人の前で素直になれないというか、言葉遣いが荒くなったりという部分が私もありますのでちょっと共感できたりしました。私はいつきちゃんとの共通点である明るさをそのまま活かして、なおかついつきちゃんの淡い恋心、乙女心を声でも表現できたらいいなと思います」(磯山)と、それぞれ抱負をアピール。作品完成への期待を高めてくれた。
(宮田晴夫)