記念すべき10回を数えたフランス映画祭もいよいよ最終日。最初の上映作品は、孤独を抱えた人間同士が出逢う花束のようなロード・ムービー『ミシュカ』。監督のジャン=フランソワ・ステヴナンさんは、俳優として70本以上の作品に出演し、また本作を含め3本の監督作品はいずれも高い評価を得ている。本作ではご本人はもとより奥方のクレール・ステヴナンさん、お二人のお子さんも出演し、温かな作品トーンを際立てている。映画祭には、ステヴナン監督、クレールさん、プロデューサーのジル=マリー・ティネさんがゲストとして参加。仕草に人柄の良さ滲み出るステヴナン監督は「日曜の朝、フランスから遥かに離れたこの場所で、多くの方の前で上映できるのは夢のようです」と挨拶。
 上映後ティーチ・インでは、演出術等に関しての質疑が行われた。F・トリュフォー作品には俳優以外にも助監督等としても参加し、演出家としても様々な受けているとのこと。ナチュラルな子供たちの演技は、指導と言うより愛情面での準備の賜物だそうだ。「困難はステヴナン監督が一人背負ってくれて、私達は船に乗っていたようなもの」とクレールさんも撮影という旅を振り返って語った。
(宮田晴夫)

□公式頁
フランス映画祭横浜2002

□作品紹介
ミシュカ