Q.みなとみらいのシンボルでもある観覧車。監督はもうご覧になったでしょうか。『ル・ブレ』でも大観覧車が転がるシーンがありましたが、このシーンはどのように撮影されたのでしょうか?

フレデリック・フォレスティエ監督:今日、日本に着いたばかりなのですが、ここに着くまでの間に3つの観覧車を見ました。ホテルのそばの観覧車ももちろん見ましたよ。日本人は観覧車が本当に好きなんですね。映画がヒットすることは間違いないですね(笑)。観覧車が転がるシーンですが、あれはCGと模型と実写を組み合わせて作りました。ただ、重い観覧車が転がっていることをリアルに出すために、周りの景色と違和感なく馴染むように綿密に計算して作り上げました。

Q.モルテスとレジオの絶妙な掛け合いには大いに楽しませてもらいました。ジェラール・ランバンとブノワ・ポールヴールドは、撮影中どんなコンビでしたか?

フレデリック・フォレスティエ監督:実際に仲がいいが、2人は全く違うタイプ。仕事の仕方も違う。ジェラール・ランバンは役作りに集中するタイプで、静かな環境を好んでいる。一方ブノワ・ポールヴールドは自分が思っていることを外に出すタイプ。スタッフともふざけたりおしゃべりして自分を高めていくタイプで、とてもにぎやか。全然違った2人の仕事へのアプローチというのが一緒になるととてもコミカルになる。ジェラールの方が年上で大人、ブノワは子供という関係を自然に映画に持ち込むことができた。コメディというのはとても難しく、お客さんが実際に笑っているところをみないと、本当におもしろいのかがわからない。だから今日、日本に来るときに乗っていた飛行機の中で『ル・ブレ』が上映されていて、笑い転げているお客さんがいてとてもうれしかったよ。

Q.アラン・ベルベリアン監督と一緒に仕事をしてみていかがでしたか?

フレデリック・フォレスティエ監督:最初に役割分担をしても、台本が変わり、お互いの担当が変わることもありました。しかしお互いちゃんと話し合って仕事をしていたので、なんの問題もなく撮影も編集も進めることが出来ました。2人とも一つのリズムのようなものに沿って、映画を作り上げていった。だから2人の監督で作り上げたといっても、うまくコラボレートされた一つの作品になったと思います。

Q.007に登場する印象的な悪役のジョーズ(鉄の歯を持つ巨人)が登場していましたが、なぜこのキャラクターのパロディが登場したのですか?

フレデリック・フォレスティエ監督:これはプロデューサーのアイディアです。もともと脚本でも随所にパロディを盛り込むことになっていたので、その流れの一つといえます。ジェラール・ランバン&ブノワ・ポールヴールドに対する悪役ペアを作るときに、トルコとこのキャラクターということになりました。

Q.今後どんな作品を手がけてみたいと思いますか?日本でのロケなどはいかがでしょうか?

フレデリック・フォレスティエ監督:現在この『ル・ブレ』と同じプロデューサーと仕事をしています。来年撮影に入ろうと思っています。1915年の作品を50年代の舞台に置き換えたリメイク作品です。日本でのロケは、絶対ないとはいいきれませんよ。(笑)

Q.この作品はギャガ・ヒューマックスの配給で9月に日比谷みゆき座他東宝洋画系にてロードショー公開されます。これから見る日本人に向けてメッセージをお願いします。

フレデリック・フォレスティエ監督:とにかく楽しめるエンターティメントを作り上げました。なによりも映画をみて、おもいっきり楽しんでください。
(取材・文 Mika Saiga)