今年で10回を数えたフランス映画際横浜2002。初日に当たる19日の朝、駐日フランス大使公邸では、恒例の映画祭記者会見が開催された。まずは出席者の中から、第1回映画祭団長で、第10回名誉団長を務めたフランス映画界を代表する貴婦人、ジャンヌ・モローさんのコメントを紹介しよう。

ジャンヌ・モローさん——
いつも私は日本に来て皆さんとお目にかかれることが大変嬉しく、そして感動的な気持ちです。私が最初に日本に来たのは65年、それから定期的に日本に来ていますが、そのおかげで皆さんを通し、現在、生活、そして過去と言うものをきちっと尊重された上で全てのものが、進歩していることがわかりました。私は日本の方々、そして友人達のおかげでお酒やビールなど、おいしい食べ物を沢山発見することが出来ました。今回も日本の素晴らしい食生活を楽しみたいと思っています。皆様方の友情と忠実な心には感激しています。ダニエル会長に第一回の団長として任命されたこと、また今回第10回団長として招待されたことを心から御礼申し上げます。日本の方々は、これまでもフランス映画を高く評価してくださった方々です。今回私が出ました映画の紹介をさせていただけますことを、嬉しく思っています。ありがとうございます。

 会見では、駐日フランス大使のモーリス・グルドー・モンターニュ氏、フランス映画際横浜受入委員会会長の齋藤龍氏、ユニフランス・フィルム・インターナショナル会長のダニエル・トスカン・デュ・プランティエ氏ら映画祭を運営す方々から、映画祭の成功とフランス映画の繁栄、そして日仏文化交流のさらなる発展への願いが込められた挨拶がよせられた。なお、作品関連ゲストとして『レセ・パセ』が上映されるベルトラン・タヴェルニエ監督も出席された。

ベルトラン・タヴェルニエ監督——私はいつも横浜には喜びを持ってきています。さらに今回はこうして皆さんの前に、ジャンヌ・モローさんの隣に座れることを、ひじょうに名誉に思います。彼女の今回の映画もとても素晴らしいものです。この映画祭に来る喜びは、観客の皆さんが好奇心に満ち溢れ注意深く映画を見てくださる。熱意をもって見てくださることが、我々に映画を作っていこうという気持ちにさせるものです。私の『今日からはじまる』という作品は、この映画祭で上映されてから一般公開が決まりました。フランスのローカルな話が、日本の教育関係の方に感激させることができたことを貴重に思います。日本の観客と私の作品の間に、愛情がこもった繋がりが出来ておりますので、皆さんが家族のように感じられます。私自身も、日本の映画に親しんで育ちました。私は横浜と繋がりのあるリヨンの出身ですが、以前映画祭後に横浜市長が訪れた際に植えていった桜の木は見事に育っております。メルシイ!

 なお本年度より2001年3月からの1年間に公開されたフランス映画に対し贈られる「フランス映画賞トロフィー」の概要も報告され、7名の審査員の中ら岩崎良美さん、コシノ・ジュンコさん、SILVAさん、別所哲也さんが挨拶した。同賞の結果は、6月20日に発表される。
(宮田晴夫)

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フランス映画祭横浜2002