プサン、バンクーバー、フランクフルトと各国で正式招待された、名古屋で自主製作を続けてきた一尾直樹初の長編作品『溺れる人』。
恋人や夫婦という日常的“関係”が寸断される瞬間とその寂寥感を描いたシュールなラブ・サスペンス。バスタブに沈んだ妻を放置した夫。翌朝、死んだはずの妻に世話を焼かれるうち、夫の日常は妻の死臭に彩られていく…。
監督、出演者が揃って舞台挨拶が行われました。

片岡礼子−−−−−監督とは、以前名古屋のラジオドラマに出演していまして、6本の作品の中の1本の脚本を執筆してその時が最初の出会いで、不思議な本を書くかただなぁという印象がありまして映画に出演できたのは幸せだなぁと感じます。今日、見た方は沢山の人に伝えてください。

塚本晋也−−−−−すごい監督でした、どのようにしたらいいでしょうか?と聞くと「よきにはからえ」と。この映画全部「よきにはからえ」と。演出が「よきにはからえ」でした。監督が「僕は最近の映画はテンポが速すぎるようなに思うんです。」というんでそれでおおむね、あっわかりました。と思い、そんな風に進行していきました。

一尾直樹監督−−−「よきにはからえ」と言うのが流行って殿下と呼ばれていたのは確かで、居酒屋で昔の話をしているときに、うちの近所で子供が遊んでいるのを窓から見ていた光景をみて皇太子みたいねぇと言われたことがあってという話をしたのがきっかけで、この歳で皇太子というのもおかしいの・・・・。そのとき塚本さんからチューをされまして、これで二人の関係が変わるんだといわれたのですが、あんまり変わらなかったですね。

塚本晋也−−−−−そんなことやりましたっけ?(笑)

片岡礼子−−−−−撮影は、監督がかなり粘っていただいて私が毎日撮影にいけなくって1週間に1日、監督がそれでもいいですと言ってくれたお陰で新幹線通勤をして撮影をしていたのですが、もし出演できなかったらと考えると、監督が言ってくれたことが、それ以降の大きな映画に出れなかったかもしませんね。本当にありがたいと思っています。

一尾直樹監督−−−片岡さんに出演していただきたくって、相手役が塚本さんしかいないということで。ご存知ない方もいるかもしれませんが、この撮影は全編名古屋で撮影しています。出演者には名古屋まで通っていただきました。

−−−−−最後に見所を・・・
一尾直樹監督−−−エンターテイメント作品ではないので、内面的な部分を見ていただけばと思います。今日、来ていただいたお客さまは、みかただと思っていますので、見終わってから知り合いにこの映画を紹介していただければと思います。

公開は、ユーロスペースほかにてレイトショー公開中!7月からは、名古屋でも公開され、以後全国でロードショー公開されます。
また、同劇場では、6月1日、8日、毎週土曜日にトークイベントが開催されます。

□作品紹介
溺れる人