今年はカンヌでなく、トライベッカです。

5月8〜12まで、ニユーヨークはロバート・デ・ニーロ主催のテロ復興、TRIBECA映画祭に出席しました。なんたって、わたしのベスト俳優デ・ニーロです。いまは姿を消したワールド・トレード・センターから7ブロックほどのところを拠点にしたトライベッカを中心に行われました。
あのデニーロ経営のレストラン、トライベッカ・グリルやNOBUのNY支店も映画祭料金のディナーが用意され大人気。また、デ・ニーロやマーティン・スコシージのパネルディスカッション、ランチョンパーティなどもここで行われました。

さて、オープニング・セレモニーは、デニーロが尊敬するネルソン・マンデラ元アフリカ大統領を自らエスコート。ビル・クリントン、ウーピー・ゴールドバーグ、ケビン・スペイシーにヒュー・グラントが壇上でスピーチしました。テロ事件を語って、黙祷。黒人シンガーのメンバーでゴスペル。映画祭の利益はNY市のもの、という志のある活動はさすがですね、デ・ニーロです。ぴしっとキメたデニーロのすきのないスーツ・スタイル、美しく流れたリージェントヘアが、渋くて完璧。風を切って歩くかっこよさ。
映画のまんまのキマり具合でしたねえ。
この写真、そう、ジャーナリストのPOSITIONじゃなく、主催者側のなかにはいって写しているの。
わくわくですよ。もう、何度か来日しているけれど、
フランスのドービル映画祭でも、身近に会って以来です。

映画祭はビジネスとしても大成功。アメリカの映画人の社会性は本当に見習うべきところがありますねえ。神戸の震災でもやってほしいことでした。

そして、もうひとり、この人が来る、というから訪米しました、の敬愛するゴッド・アル・パチーノ・ファーザー。
飛行機が嫌いで日本には来ないと言っていたけど、なんとこの日は映画の役とも関係のないゴールドショートのヘアカットに、皮ジャン。レッド・カーペットを嬉しそうに歩いていたところ、
パチーノ〜、と呼んだら、にこにこしてこちらへ歩いてきてくれ、すきだらけのいい人ムードでした。
ああ、もういつ死んでもいいなあ、の感。
映画「INSOMNIA」は、ロビン・ウィリアムスがサイコ犯罪者をやるパチーノの刑事もの。
「羊たちの沈黙」風にいくとすごい・・ヘビーなサスペンスです。相変わらずおちゃめで、しゃべりまくりのロビン・ウィリアムスもあらわれ、大サービスだったけど、あれっ、彼の写真は何故か消失。気合の入れ方が違うって、みえみえでしたね。うふふ。
デ・ニーロとパチーノとのダブルミートのある映画祭、わたしのハートには、FOREVER RESPECTの気持ちが残りました。

木村奈保子(映画評論家)
http://www.cinematopics.com/nahoko/index.htm