満員盛況…と言うのはこうしたレポートの常套ではあるけれど、いや本当に今日の熱気は凄い!下北沢の短編専門劇場トリウッドにて連続ドラマ形式で上映されると、口コミによりその人気が全国的にまで広がったインディーズ作品『演じ屋』。この作品の壱・弐幕を収録した『演じ屋 Ⅰ』のDVDソフトが、タワーレコード渋谷店・新宿店限定でリリースされたが、並み居るハリウッド作品をものともせず渋谷店では1位、新宿店では2位という驚異的な売れ行きを見せている。
 5月11日、タワーレコード渋谷店のSTAGE ONEでは、野口照夫監督をはじめ演じ屋代表役の笠原紳司さん、基樹役の今井孝祐さん、明香役の勝村美香さんら主要キャストが来場してのDVD発売記念イベントが開催された。会場は若い女性を中心にした熱心なファン層が多数つめかけ、椅子席はもとより周囲のフロア部分の立ち見のスペースまでが身動きできないくらいの大人気。「これはCGですか、熱気まで伝わってきますが(笑)」と、その盛況ぶりに驚く監督らゲスト陣によるトークライブをはじめ、直筆サイン入りの特製DVDジャケット&ケース等が当たる抽選会や、今井さんのギターで笠原さんが第参・四幕の劇中で歌った「答えはきっと心の中に」を熱唱するミニ・ライブなど盛り沢山の内容で、また監督自身がファンに一緒に育ててもらった作品という言葉を裏付けるかのように、熱狂的でいてかつ和やかな歓声と笑い声の絶えないイベントとなった。
 イベントの後半では、シリーズに登場した個性的な役者陣が駆けつけ舞台に立ち、一言づつ挨拶を行ったが、ここでも主要キャストにひけをとらない歓声を受ける人も多い。また、明香役の勝村さんには「可愛い」との声がそこここから聞こえ、同性からの好感度の高さをうかがわせた。以下、イベント終了後に行われた質疑を紹介しよう。

Q.DVDも発売になりまして、初めて作品を見る方も増えていきますが、そうした方にメッセージをお願いします。
野口照夫監督——インディーズでもこれだけ勝負ができるということを観て欲しい。
今井孝祐さん——映画とかドラマとか考えないで観て欲しい。
笠原紳司さん——監督が言うことも勿論ですが、兎に角一度観て欲しいというのが本音ですね。
勝村美香さん——皆さんと一緒です(笑)。

Q.作品が受けた要因はなんだと思いますか?
野口監督——理由は沢山あると思いますが、一つには下北沢から初め、全く無名のところから育てていこうというお客さん…というよりサポーターのように皆さんが一緒にやっていこうという気持ちじゃないですかね。本当に口コミが生んだ成功だと思うし、今後もそういった方向を大事にしていきたいです。

Q.この後も、同じメンバーでやって行きたいとかありますか?
野口監督——このメンバーに固執することは考えてません。僕らは劇団ではなく協力してくれる仲間ですから、それぞれがメジャーな仕事に進んでお互いに横を見たらこいつも来てたってのがベストじゃないかと。でも、一緒には是非やりたいね。やります(笑)。
笠原さん——元が友人同士って言うのがあるからこそ、馴れ合いで助け合ったりはやめようって気持ちは常に持って、話してますね。それぞれが自分を持ったその上で一緒にやろうって。

 なお、『演じ屋 Ⅰ』はタワーレコード渋谷店・新宿店にて好評発売中、『Ⅱ』も5月24日より発売予定。または下北沢「トリウッド」では、6月28日より『第壱幕』〜『第伍幕』が一挙上映されるほか、待望の新作『第六幕』・『第七幕』が7月20日よりロードショー公開!。その後、これまで同様2ヶ月ペースで作品を制作していき、年内全9話完結を目指すとのこと。野口監督が、イベントの締めとして“トリウッド”“タワーレコード”に続く高い目標としてファンに語ったのは最大級の劇場“渋谷パンテオン”での上映!でも、この日のイベントの空気にふれたものとしては、決してその目標は遠いものではないと感じた。

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演じ屋
(宮田晴夫)