人情味あふれる浅草の町を舞台に、女がそして何より喧嘩が好きな暴れ獅子・叶天凱の生き様を描いた一味違うヤクザもの『浅草哀歌(えんこえれじー)獅子の絆』が完成した。昨年の秋に浅草の町の全面協力の元撮影されたこの作品、主人公の天凱を現在最も忙しい俳優である哀川翔さんが演じ、先頃劇場公開され好評を博した『竜二 Foerver』などの細野辰興監督が監督した話題作だ。4月27日、本作の舞台となった浅草から程近く、また劇中でも舞台の一つになっている鶯谷の東京キネマクラブにて、この作品の特別試写会が開催され、そこに描かれたどこか懐かしく、同時に活力あふれる浅草の描写に、招かれた地元の人たちも満足そうに作品を堪能、また出演者による舞台挨拶も行われた。
 最初の舞台挨拶では、天蓋を慕う浅草の愚連隊のメンバーでニヒルな安藤役の岡田祐一さん、1500通の応募者の中からオーディションで見事ヒロインのアミ役を射止め本作で女優デビューを飾った村瀬小百合さん、そして同じくオーディションで決定し、劇中絶妙なコンビネーションを見せる愚連隊のキンタ、クンタをそれぞれ演じる山崎岳大さん、ワニ完才さんという若手陣が登場した。
 岡田さんは「今までもヤクザ映画はありましたが、浅草という町を舞台に人情やお笑い芸人の方々も出演されていて、またちょっと変わった感じの哀川翔さんが観れると思いますので、是非楽しんでください。」と作品のテイストをアピール。「浅草だし三社祭も近いから…」と祭り装束で現れたワニさんに対し、「一緒にかっこいいかっこをしようと言ったのに、目立ちたいからとこんな格好されちゃって…」と苦笑する山崎さんといった図も、劇中同様場内からの笑いをとっていた。
 また村瀬さんは「本当に夢のようなヒロイン、アミ役をやらせていただいて、すごく自分でも楽しく、厳しく、そして色々な出会いがありました。浅草ということで、現代なのに古風な所があったり楽しいお笑いがあったり、そういうのがとてもよくわかる映画だと思います。哀川翔さんは恋人であり、お兄さんであり、お父さんでありという、温かく人情溢れる役を表現されて、素晴らしい役者さんだと思います。他の方も、とてもいい味が出ている映画だと思いますので楽しんでください。」とコメント。
 そして二度目の舞台挨拶として、天蓋役の哀川翔さんが村瀬さんを伴って登壇した。会場には、哀川さんのご家族も観に来られていて息子さんから「パパ!」の声がかかる一幕も。
 プロデューサーより「いつものアウトロー路線から外れて、普段の顔が見れる作品」と紹介された哀川さんは、「浅草を舞台にとても素敵な作品が仕上がったと思います。普段の自分らしい顔と言われましたが、決してそういうことではありません。とても愛せる、今ではちょっと忘れ去られた一人のバカ者という、とてもやり甲斐のあるキャラクターでした。このキャラクター、自分もとても愛しました。是非皆さんもご覧になって楽しんでください」と天凱というキャラへの思い入れのこもった挨拶をした。

 なお、『浅草哀歌(えんこえれじー)獅子の絆』は、6月25日よりビデオ発売&レンタル開始!

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3104
(宮田晴夫)