巨匠ノーマン・ジェイソン監督が75年に映像化した近未来SF巨編が、『ダイ・ハード』、『トーマス・クラウン・アフェア』(ご存知のとおりこの作品もノーマン・ジェイソン監督の『華麗なる賭け』のリメイクだ)等のジョン・マクティアナン監督の手により新世紀に甦った。明らかに近未来を意識させる平和な管理社会を舞台に展開された前作と比べると、新生『ローラーボール』は、マルチ・メディアを通じてあらゆるものが放映されてしまう現在の状況を反映し、SFでなくてもちっともおかしくない作品世界を現出させ、そこで展開されるライヴ感覚あふれるヴァイオレンス・アクションを堪能させる快作だ。
 待望のロードショー公開も目前に迫ってきた4月23日、本作の特別試写会がよみうりホールにて開催された。闘争本能を全開に死のゲームを通じて過剰に生きるプレイヤーを主人公とし、プロの格闘家からも多くの注目を集めている作品らしく、この日の特別試写には、LLPW所属の神鳥忍、風間ルミ、近々これまた熱いドキュメンタリー映画『ガイア・ガールズ』の公開も決まっているガイア・ジャパンの長与千種、里村明衣子、みちのくプロレスのザ・グレート・サスケらファイターが来場し、作品世界を堪能した。なお、写真で手に持っている鉄球は、作品中に登場するものと同じ重さで4Kgの重量がある。実際にそれを手にしたファイターたちは、劇中のプレイの迫真性と過酷さを実感した様子。
 なお本作の日本公開にあたって、作品のイメージにあわせ、インラインスケートを履いて歌い踊るガールズ・ユニットが結成された。オーディションによって選ばれた12歳から16歳の6人で結成されたユニット、cubeは、それぞれインラインスケートが大好きで個性的な平均年齢14.3歳の少女たちからなり、本作の日本版イメージ・ソング『I(アイ)』を唄う。今回の特別試写では、作品の上映前に彼女たち6名が舞台に立ち、作品とともにこの日がお披露目となったのだ。作品のイメージというと、個人的には劇中のオーロラのように特殊メイクのスカー・フェイスを期待してしまうんだけど、そこは14.3歳の可愛らしいお嬢さんがたであるのは言うまでもない。しかし、インラインスケートは東京ボンバーズから150時間のレッスンを受けたということで、「ワザも習得して、ゲームにだって参加できますよ!」と涼しい顔で応える様子は、作品同様のパワフルさを感じさせこれからが楽しみだ。

なお、『ローラーボール』は日劇3ほか全国東宝洋画系にて、5月11日よりロードショー公開!。

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=35168
(宮田晴夫)