昨年の東京フィルメックス以来、シネ・ラ・セットの舞台に『少年と砂漠のカフェ』のアボルファス・ジャリリ監督が来日し、舞台挨拶を行った。
日本に多くのファンを持っているジャリリ監督は、舞台に立ち「2つの故郷を持っている、1つはイラン、1つは日本、観客の皆さんやスタッフの皆さんに感謝をしている」と挨拶をし、劇場に来ていただいた観客の皆さんに感謝の言葉を贈った。
観客とのQ&Aを上映前に行われたので、ご紹介しましょう。

−−−トゥルー・ストーリーの少年の足は治りましたか?
ジャリリ監督「少年の足は治りました。2、3ヶ月前に彼は結婚しました。この映画でも正式な助監督ではありませんが、時々出てきて手伝ってくれました。」
−−−監督の映画の最後に“学生にささげる”という言葉が書いてあるのですが、どのような意味ですか?
ジャリリ監督「学生ではなく、子供たちにという意味で、戦争などで一番怖い思いをしているのは、子供たちで、家を無くしなりしています。その子供たちにという意味です。」
−−−以前、来日したときにビデオカメラで撮影していましたが、どのよう使われていますか?
ジャリリ監督「日本の人たちが大好きで、表情などを取っています。以前撮影した内容はイランのTVのドキュメンタリー番組で使われています。今度は、日本のTVで放映できるようなドキュメンタリードラマ作ってみたいと思っています。」

ジョークで、ジャリリ監督は、「いろんな国で仕事をしていますが、この作品の市山プロデューサーを引き合いに出し、親しい親戚なのですが、彼は独身でいい人を紹介してあげてください。」と楽しい話を添えていました。会場の多くの女性で、中には親子連れも見かけた、ストーリーは難解ではなく感動を与える作品なので、春休み期間、小学校の高学年生なら字幕だけでも理解できるのではと思う、ジャリリ監督の作品は、言葉よりも映像に訴えるものが大きいので、シネ・ラ・セットへどうぞ。

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=717
(YASUHIRO TOGAWA)