いよいよ2月よりロードショー公開される濃密な愛のサスペンス『キリング・ミー・ソフトリー』。公開に先がけ、本作でハリウッド・デビューを飾ったチェン・カイコー(陳凱歌)監督と主演のヘザー・グラハムさんが、1月21日にキャンペーンのため緊急来日を果たし、お昼に開催された記者会見に続き夜は九段会館ホールにて開催された角川書店連合試写会に出席し、会場を埋め尽くした映画ファンの前で舞台挨拶を行った。
 MCの紹介で舞台に登場したお二人、まずは一言づつ日本に来れたことの喜びと、それぞれ監督・役者として互いへの敬意がこめられた挨拶を行った。昼間の記者会見では、パープルのシースルーの服がセクシーさを強調していた屁ザーさんだが、こちらではノー・スリーブの白いドレス姿で登場。キュートな表情に、実にお似合いだ。また、実直そうなチェン監督も、へザーさんと一緒に客席に手を振るジェスチャーを繰り返すなど、意外と茶目っ気たっぷりなのだ。
 二人が挨拶を終えたところで、二人を歓迎するプレゼンターが登場した。タレントとして、また役者として躍進著しい菊川怜さんだ。まるで申しあわせてきたかのようにこちらもノー・スリーブの純白のドレス姿の菊川さんの登場で、舞台の華やかさはたちまち倍増だ。「こんなに深い愛と、それに引き込まれるにつれ生まれる疑惑と怖さに、すごく引き込まれました。テーマも深く、まだ作品にひたっている状態です」、花束を渡した後、映画の感想を話す菊川さん、かなり心理的にはまったご様子だ。初対面のヘザーさんとも、「実物もすごく素敵ですけど、映画の中ではまた違った役の魅力が出ていました、お会いできて感激です」(菊川さん)、「大変お美しい方で、お会いできて光栄です」(ヘザーさん)と互いに感激とシンパシーを感じられたようだ。
 英・米・中と国際的なスタッフ、キャストにより製作された本作だが、これまで中国のみで映画を撮ってきたチェン監督にとって、勝手が違うようなことはなかったのだろうか?「その質問はよく聞かれるのだけど、そんなに大きな差異は感じていません。何を撮りたいかということは自分の中で判っていたし、またヘザーやジョセフ・ファインズと仕事をすることはとても光栄でした」、さらりと答えてしまうところが、流石ご自身の世界を確立しているチェン監督らしい。
 さて、映画の中では情熱的な深い愛が描かれる本作だが、ヘザーさんはどう感じているのだろう。「ああいう恋愛はこの世にきっとあると思うの。情熱的な瞬間を感じることはあるし、私自身も何度かそんな気持ちを感じたことがあります。」また、この作品に出演しようと思った一番のきっかけは、チェン監督との仕事ということだ。「私自身、愛情や情熱を描いた作品が好きだということもありますが、今回はチェン監督と仕事が出来るということが一番の理由です。彼が話してくれた物語は、非常に興味深かったんです。人間関係やコミュニケーション、信用、特別な人へのある種特別な感情、そういったものが強すぎると死に至り、また殺されてしまうのではないかという強い感情を描いた作品であることにも強く惹かれたんです」(ヘザーさん)。菊川さんも、「この映画のような強い愛には、私も是非あってみたいです。ここまで怖い思いはしたくないけど、それくらい深い経験が出来たら素晴らしいですよね。こういう映画が出来たとしたら、是非自分でもやってみたいです」とテーマへの強い共感と、そんな作品への意欲を垣間見させてくれた。

なお、『キリング・ミー・ソフトリー』は2月23日(土)より、日比谷スカラ座他、全国東宝洋画系にてロードショー!!

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2555
(宮田晴夫)