1月12日(土)より、渋谷シネ・アミューズにて公開初日を迎えた『DEAD OR ALIVE FINAL(以下“DOAF”』。日本一忙しい映画監督&俳優ニ大巨頭のコラボレーションによる人気シリーズ最新&最終?作である本作をはじめ、怒涛のごとく監督作品の公開が続く監督・三池崇史をフィチャーした特設コーナーを展開しているHMV渋谷店では、初日の上映直前である12日の夕方、三池崇史監督、哀川翔さん、竹内力さんという必殺面子を揃えてのトークショーが開催された。名付けて“<ロケットリオ>FINALトークショー@HMV渋谷”、しかも司会には“歌って踊れる映画評論家”でシリーズ1・2作や『カタクリ家の幸福』に役者としても出演し、三池ワールドを熟知している塩田時敏さんを迎えるというまさに最終の名に恥じぬ顔ぶれだ。当日、HMV4階の特設イベント・スペースには400名を超える“DOA”フリークが結集し、熱狂と興奮&時折の失笑も心地いいトークが開催された。
 塩田さんに紹介され、ダーク系のロング・コート姿で登場したド迫力の“ロケットリオ”3人組。でも一番怖いのは、金髪に染めていた頭を丸め、グラサン越しの視線も鋭い三池監督かも。近日公開予定の『荒ぶる魂たち』では、ご自身で狂気を宿した鉄砲玉役も演じられている。「今年は心を入れ替えて丁寧な仕事をしようとね(笑)」、その言葉がものすごい謙遜でしかないことは、現在公開中&公開待機中のヴァラエティーに富みパワフルな作品群にふれれば一目瞭然の三池監督作品だが、『DOAF』では初めての香港ロケを行い、そこで荒廃した未来の“横浜”を独自のリアリティで活写して見せてくれている。「今回は、ジャッキー・チェンの事務所が協力してくれて刺激的だったね。香港人は、いい意味でも悪いい意味でもルーズなんで、自分にはあってるかな」と撮影現場を振り返る三池監督。「SFというよりは、もっと肉体的で昭和に近い作品。『3』ということで企画はスタートしたのだが、誰ということなく今回が“ファイナル”だろうと進みました。次にやる時は別のステージでね」(三池監督)。
 毎回違う興奮と衝撃を映画ファンに与え続けてくれた“DOA”シリーズだが、他にも多くの出演作&シリーズ作を持つ主演の二人にとってはどのような位置付けだったのだろうか。「年に一度のお祭り的なものを感じてましたね。次のメイン/イベントは何かなみたいな。“DOAF”の魅力は一言で言うと炸裂!って感じかな(笑)。“1”を作って感動して、“2”でホロリと来て、“3”は爆発って感じです。」(哀川さん)、「“DOA”というか、三池さんとやれるのが楽しいですよ。『殺し屋1』出たかったな。観てないんで何の役がいいかは判らないけど(笑)。『荒ぶる魂たち』は観ましたけど、凄くよかった。是非観てください。」(竹内さん)。映画作りを真剣勝負で楽しんでいる空気が、伝わって来るコメントだった。これを受けて三池監督も「自分やスタッフたちもすごく楽しんで撮っています。僕らくらいの年齢になると守りの立場になりがちだけど、我々には別に守るものはないし、あるものは壊して次にいこうという感じです。でも、“DOAF”は“愛”の物語ですよ(笑)」。
 ところで、ファンにとって気になるのはこの“愛”の物語で、本当にシリーズは終わっちゃうのかということ。“DOAエピソード1”とかはないの?「そりゃないんじゃないのと言うのは避けようというのはありますが、我々が堂々となんだよ嘘ついちゃいけないのかよ!という状況や作品が出来たときには“DOA”にしたいと思いますよ。そのためには、2・3年かけてやってきたことを別の形にできればと。だから、“新DOAF”が無いことはないですよ」(三池監督)とのことで、さらに予想もつかない形での再登場には、是非期待したいね。
 なお、『DEAD OR ALIVE FINAL』は渋谷シネ・アミューズにてレイト・ロードショー公開中。この他公開中の『殺し屋1』をはじめ、『カタクリ家の幸福』『荒ぶる魂たち』なども近々ロードショー公開が決定している。また、3月中旬まで三池崇史監督フェアを開催中のHMV渋谷店では、この後2月18日には三池監督の新作『新・仁義の墓場』の公開製作発表会が2階イベント・ステージで開催予定。監督はじめ主演の岸谷吾郎さんらが出席予定なので、ファンの方はこちらもお見逃し無く。整理券は、2月1日よりHMV渋谷店にて配布予定だ。

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=1624
(宮田晴夫)