いよいよ8耐イベントマラソンも楽日を迎えた29日、舞台には中村愛美さん、諏訪太郎さんそしてイベントを盛り上げるべく期間中欠席することなく舞台に立ち続けた佐々木浩久監督が登場し、今回のイベントを完走した覇者をたたえようという趣向だ。日によってのバラツキは勿論あったものの、初日以降盛況のうちに劇場レイトショー記録を更新し続けた『血を吸う宇宙』だが、前作の5日間に比べ3日も延びた今回のイベント・マラソン、はたして完走出来た者などいたのだろうか?
 答えは勿論、“YSE!”、佐々木監督から場内の完走者に向けて舞台に上がるよう声がかけられると、若い男性観客が3人も進み出た。その、体力・気力・財力?には、はっきりいって脱帽ものだ。「昨年も完走したので、今回もチャレンジしようと思ったのですが、8耐になってちょっと辛かったですね」、「完全にものに釣られました(笑)」、「転職したばかりでよく判らないうちに、気づいたら券を8枚買っちゃってました(苦笑)」、と3人3様にきっかけを語る完走者たち。そして完走記念品の授与式へ。前作のイベント完走商品は、三輪ひとみさんの非売品CDだったけど、今回もなかなかのレア・アイテムを中心にヴォリュームもあり。まずは『続・発狂する唇』(準備稿)、『続・発狂する唇 血を吸う宇宙』(第1稿)、『血を吸う唇』(決定稿)と3ヴァージョンにわたる今作のサイン入り脚本から一人1冊!。特に準備稿は、現存するものはおそらく3冊はないだろうというレア・アイテムだ。これに、中村さんのビデオ『Doppio』、サイン入り『血を吸う〜』ポスターそして劇場招待券がセットされ、中村さんの握手つきで授与された。楽しくも苦労のしがいがあった完走に、満足げな表情を浮かべる3人だった。
 映画のイベントは初参加だったが、3回にわたり劇場に足を運んだ中村さんは、「すごい緊張したんですけど、楽しかったです」と感想を語り、「僕は暇ですから、またやりましょうよ」と本当は様々な作品に出続けて忙しいはずの諏訪さんも、楽しげに提案。すると佐々木監督も、「実は1月にもまたやろうと思っています。その時は賞品に、サントラCDとか作りたいよね。僕は正月の1・2日と歌の練習をして、『何かが空を飛んでいる』を録りなおすんだ」と、前作の三輪さんの歌への仕打ちはさておいて、大いなる野望をぶち上げるのであった。詳細はまだ決まってないけれど、とりあえず今回のイベントに通った人も、これからの人も、1月以降の『血を吸う〜』イベントは要チェックだね。
 そして締めは、イベント・タイトルにもなっていた[UFOボール投げ大会] だ。因みに「それ何?」って感じのUFOボールとは、ゲストの3人がサインしたビニールボールの周りに、夜光性の紐が巻いてあって光るもの。作中の空飛ぶ“家”宇宙船同様、なんとも廉っぽくも楽しい感覚がたまならい優れもの。キャッチできたファンは、そのキッチュさに大喜び!そんなこんなの盛況のうちにイベントは幕を閉じた。さて来年1月は、10耐か!?

 なお、『血を吸う宇宙』はテアトル新宿にて、連日21時20分よりレイト・ロードショー公開中。

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=85
(宮田晴夫)