11月18日から26日までの9日間、8日目を向かえ作家性あふれた作品が10作品、いよいよコンペ部門などの受賞結果の発表され、『ミレニアム・マンボ』の上映前に、
すでに、マスコミに対しては結果先行発表会にて結果が報告されていますが、観客の皆様の前に授賞式が行われました。
まずは、ディレクターの林加奈子さんの挨拶、プログラミング・ディレクターの市山尚三さんから観客賞、webでのso-net賞などが発表されました。
観客賞は、上映全作品を対象に投票が行われ、選ばれた作品は、岡本喜八監督リスペクトで上映された三船敏郎主演の『血と砂』(1965)が最高の得点を集め選ばれました。会場には代表して同作品に出演された佐藤充さんが上がられ感動の感想を述べられました。

———『血と砂』の出演者の中で三船敏郎さんと伊藤雄之助さんが亡くなられて私は今朝早く起きて三船さんのお墓にいきまして、賞をもらいましたよと語りました。そんなときに三船さんの声が「おう、良かった良かった、さぁ飲もうよ」なんて聞こえてきたんです。私事で申し訳ないのですが、私の妻が今年の3月に亡くなりまして岡本喜八監督の奥さんがお線香をもってきてくれて、このお線香をもってお参りにいこうかと思いまして行ってきたしだいです。もう、胸がいっぱいでうれしい限りです。

so-net賞は、『少年と砂漠のカフェ』(原題:デルバラン)のアボルファズル・ジャリリ監督が選ばれました。また、審査委員特別賞にもアボルファズル・ジャリリ監督が選ばれました。

———いつも映画を作っているのはお金ではないと思っています。ここでは日本のプロデューサーに感謝したい、一番の映画を作るための自由を与えてくれたプロデューサーに感謝したいです。日本には7日間いましてこれから公開される3本の映画の取材で滞在しました。皆さんからいろんな質問を受けましてアフガニスタンの人たちや世界の人たちの話をしまして感謝しています。また、佐藤充さんの感動のスピーチには愛があって感動しました。

最優秀作品賞には、韓国映画の『フラワー・アイランド』が選ばれました。あいにく韓国の公開初日とぶつかってしまい来日できなかったソン・イルゴン監督からメッセージが代読されました。

———昨日が韓国での『フラワー・アイランド』の初日であった為にこの映画祭に参加することができず残念です。新しい映像作家発掘するこの映画祭で賞をいただいたことは大変光栄なことです。今年韓国ではすばらしい映像作家の作品が多数上映されましたが、よい成績を残したとはいえませんでした。しかし、たとえ少数でも意味のある映画を愛してくださる方がいると信じています。ここに集まってくださった皆さんこそ、意味のある映画を愛してくださる方だと思います。いつか日本で『フラワー・アイランド』が公開される機会に恵まれて皆さんとお会いできることを楽しみしています。本当にありがとうごさいました。

最後に審査委員長のホウ・シャオシェン監督から総評がありました。
(日本で)今回の東京フィルメックス・イズ・ベリーサクシード(成功)
とても行き届いたパーフェクトなもてなしと映画祭だと見に来てくれるお客様も非常に作品を支持してくれたことは感謝いたします。ぜひ、また来年、再来年開催して欲しいと思います。

□第2回東京フィルメックス
http://www.filmex.net/
(外川康弘)