コンペティション参加作品も全て上映され映画祭もいよいよ大詰め。有楽町西武A館8Fの“東京フィルメックス情報サテライト”では24日15時より、授賞式に先立ち最優秀作品賞、審査員特別賞受賞結果発表の先行ミニ会見が開催された。
 まず公式な賞の発表前に、市山プログラム・ディレクターより関連する二つの映画賞が発表された。so-netホームページ上に提示されたコンペ作品の、クリックによる投票数で決定するso-netムービー賞は、24日12時において締め切られ集計された結果、アボルファズル・ジャリリ監督の『少年と砂漠のカフェ(デルバラン)』に決定した。また、一般の観客の投票(投票数総計ではなく、投票者の1〜4の評価の平均点)によって決定する観客賞は、投票者全員最高得点投票という4点という結果で岡本喜八監督の『血と砂』が受賞した。
 続いて候考賢審査委員長から、コンペティション部門の公式結果が発表された。

東京フィルメックス・コンペティション 受賞結果

最優秀作品賞『フラワー・アイランド』監督:ソン・イルゴン
ソン・イルゴン監督は、本作品の韓国での公開が昨日から始まり、公開キャンペーンのために来日がキャンセルになりました。コメントは、この後7時からの授賞式で発表される予定です。

審査員特別賞『少年と砂漠のカフェ(デルバラン)』監督:アボルファズル・ジャリリ

アボルファズル・ジャリリ監督——イランの中ではいつも自分が、映画人とか監督としてではなく子供達の問題を解決できるサポーターとして名前を残したいと思っています。日本での記者会見は初めてですが、今の気持ちをなんと言ってよいのやら本当にわかりません。皆さん、ありがとうございました。

候考賢審査委員長コメント——審査対象の10作品はスタイル的にも、映画の個性・テイスト的にも全く違っていて、審査会議は非常に時間がかかりました。まず7作品、そして2作品へと絞込み、最終的にどちらが大賞でどちらが審査員特別賞なのかということでも随分議論しましたが、フィルメックス映画祭が若いクリエイターを激励するということであればということで、以上のような結果になりました。

東京フィルメックス林ディレクター挨拶——昨日の審査会はかなり時間がかかりましたが、私としては10本どれが決まっても驚かないつもりで納得の行く作品を集めましたので、審査員の方々に賞を出していただいて感謝しております。プレスの方々、一般の方々皆熱心に映画をご覧いただきましたことを、本当に厚く御礼申し上げます。第3回に関しましては、現在開催期間等調整中ですが、私達は積極的に若い才能たちを応援しながら走り続ける方向でおりますので、今後とも東京フィルメックスにご期待いただければと思います。

□第2回東京フィルメックス
http://www.filmex.net/
(宮田晴夫)